ハスキーボイスは、生まれつきの声質や喉のコンディションによって生じることがあります。しかし、声帯の使い方を工夫することで、意図的に近い声質を作ることも可能です。
大切なのは、声帯の閉鎖と開放のバランス、呼気圧のコントロールです。これらを適切に習得すれば、クリアな声質の方でも喉へ負担をかけることなく実践できるようになります。
この記事では、ハスキーボイスが生まれる仕組みから、今日から実践できる具体的なボイトレ法まで詳しく解説します。ハスキーボイスに挑戦したい方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

ハスキーボイスとは、低くかすれた声質が特徴の、大人っぽく魅力的な印象を与える声のことです。
そもそもクリアな声を出すときは、左右の声帯は隙間なく均一に閉鎖し、振動します。これに対し、ハスキーボイスは声帯の一部に意図的にわずかな隙間を作り、そこから息を微量に漏らすことで生まれる声を指します。
ハスキーボイスは、一般的に「かすれた声」や「しゃがれた声」と表現され、「気流雑音」とも呼ばれます。最大の特徴は、発声した際に「声(実音)」と一緒に「空気(吐息)」が漏れていることです。
この独特のノイズが、クリアな声にはない深みや色気、ミステリアスな雰囲気を作り出します。生まれつきハスキーボイスの人のなかには、コンプレックスを抱く人もいますが、実は多くの人が憧れる非常に魅力的な声質です。
声がハスキーになる根本的な理由は、声帯に隙間ができ、そこから空気が漏れているからです。ただし、ここで誤解してはいけないのが、「息をたくさん吐けばハスキーボイスになるわけではない」ということです。
声帯が完全に閉鎖していないと、乾燥しやすくなります。そこに強い息(過剰な呼気圧)をぶつけてしまうと、声帯結節やポリープといった喉のトラブルを引き起こす可能性が高まります。声帯に隙間を作りつつ、息の量を抑えることで、喉を傷めずにハスキーボイスを作れることを忘れてはいけません。
ハスキーボイスになる主な理由は、「生まれつき」と「喉のコンディション」の2つです。それぞれ解説します。
遺伝的な要因や成長の過程で、声帯が閉じきらなくなっているケースもあります。このタイプは、意識しなくても常に吐息が混じった「天然のハスキーボイス」になります。
本人はコンプレックスに感じることもありますが、周囲からは唯一無二の魅力的な響きとして捉えられます。
喉の不調や一時的な炎症によって、声がかすれることもあります。風邪や乾燥、疲労、睡眠不足、あるいはアルコールの摂取などにより声帯が腫れると、声帯同士がきれいに合わさらなくなるためです。
また、部活などで声を張り上げたことで声帯溝症(声帯に溝ができる症状)が生じ、ハスキーな声質になっているケースもあります。こうした状態で無理に声を出し続けると、喉を本格的に傷める原因になります。
ハスキーボイスを目指すうえで最も大切なのは「喉の不調によるかすれ」と「技術によるかすれ」を混同しないことです。健康な喉を保ちながら、適切な練習を重ねることが大切です。

ハスキーボイスには、次のような魅力があります。
かすれた響きはネガティブなものではありません。それが深みや情緒として伝えられる表現になります。
ハスキーボイスは、落ち着いた大人の印象を与えやすい声質です。かすれた声がミステリアスな雰囲気を演出して、とてもセクシーに聞こえます。
ささやくように話しているだけでも魅力的な印象を与えますが、声を張って歌うと荒々しさや大人っぽさを感じさせます。
声に息の成分が適度に混ざることで、ハスキーボイスは柔らかく、耳なじみのよいウィスパーボイスのような質感になります。また、リラックス効果を与える海や風の音、木々がそよぐ音と似ているので、ハスキーボイスには人をリラックスさせる効果があるのです。
声そのものが癒やしの要素となり、相手に安心感を与え、包容力のある印象につながります。
ハスキーボイスは、声に個性が生まれやすく、声を聞いただけで思い出してもらえる強みがあります。
話し声や歌声に特徴があると、相手の記憶に残りやすく、ほかの人との差別化にもつながります。

ハスキーボイスになるために大切なのは、無理に声を潰すことではありません。
声帯や呼吸の使い方を理解し、正しくコントロールすることが、喉を痛めずにハスキーボイスに近づくための基本です。
もともとクリアで通りのよい声質の人は、声帯がしっかり閉じやすく、雑音の少ない声が出やすい傾向があります。そのため、自然にかすれを含んだハスキーボイスを出すことは簡単ではありません。
ただし、これは「出せない」という意味ではありません。適切な練習を重ねていけば、喉に負担をかけず、ハスキーボイスに近づくことは十分に可能です。
ハスキーボイスは、声帯の使い方次第で身につけることも可能です。
この際、力任せに声をかすれさせるのではなく、喉の脱力と呼気圧のバランスを身につけることが大切です。

ここでは、喉を痛めずにハスキーボイスへ近づくための、基本的なトレーニングの考え方を紹介します。ぜひ参考にしてください。
ハスキーな質感を出すためには、まずは喉の力みを取り除くことが大切です。そこで「エッジボイス」のエクササイズが有効です。
エッジボイスとは、ホラー映画のような「あ“・あ“・あ“」といった声のことです。喉の奥で作った硬い声を短く区切りながら、最小限の息の量で出しましょう。
喉周辺の筋肉がリラックスしているのを確かめながら発声してください。
低音域でのエッジボイスから、サイレンのように音程を上げていきましょう。そして、ファルセット(裏声)の音域に入っても、エッジボイスがキープできている状態を目指します。
高音域では声帯が薄く引き延ばされた状態になり、繊細で柔らかなかすれ声を発声しやすくなります。
この練習を繰り返すことで、あらゆる音域でも同じ発声感覚を維持しやすくなり、ハスキーな質感をコントロールする感覚が身につきます。

ハスキーボイスは、大きな声を強く出したり、息を多く出したりすることで得られるものではありません。むしろ喉の力を抜き、息の量を制限していく「引き算」の考えが大切になります。
練習の際は、声帯の閉鎖が弱まり喉が乾燥しやすい状態でもあるため、水分補給やこまめな休憩を取るように心がけてください。
「自分のやり方が合っているのか不安」
「一人で練習していても感覚がつかめない」
そんな方は、プロのトレーナーと一緒に声の使い方を確認してみるのも1つの方法です。
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