緊張すると声が震える悩みを抱える人におすすめの改善方法

2021/07/30

投稿者: 河野ひかり

緊張すると声が震える悩みを抱える人におすすめの改善方法

プレゼンや発表会など、ここぞという場面になると緊張で声が震えてしまう…という悩みを抱えている方は決して少なくありません。

声が震えていると相手に内容が伝わりにくくなりますし、本人の焦りも強くなり、悪循環に陥ってしまうおそれがあります。

どんなときでも堂々と張りのある声を出せるよう、声が震える悩みの原因と改善方法をチェックしておきましょう。

今回は、緊張すると声が震える悩みの改善方法や主な原因、発声のポイントについて解説します。

緊張すると声が震える原因

緊張によって声が震える原因はいくつかあります。適切な方法で改善できるよう、まずは緊張で声が震える原因を確認してみましょう。

1. 呼吸が浅い

過度の緊張やストレスを感じると、体に余計な力が入ってしまい、肺を横に広げて息を吸う胸式呼吸になりがちです。

胸式呼吸には交感神経の活発化や肩胛骨周りの筋肉ほぐしなど、いろいろなメリットがありますが、お腹を膨らませて呼吸する腹式呼吸に比べると息を吸う量が減るため、どうしても呼吸が浅くなりがちです。

呼吸が浅いとお腹から発声できないため、か細くて震えがちな声になりやすいといわれています。

また、胸式呼吸によって交感神経が優位に立つと、心臓の動きが活発にになり、胸のドキドキが強くなります。

もともと緊張しているところに加え、さらに動悸が激しくなるど、より声が震えやすい状況に陥ってしまいます。

2. あがり症

人は緊張すると、神経からノルアドレナリンと呼ばれる神経伝達物質を分泌します。

ノルアドレナリンには交感神経を活発化する作用があり、心拍数や体温、血圧などが上昇し、動悸や震えなどの症状が発生します。

こうした「あがり」は誰にでも起こりうるものですが、脳の反応や交感神経が人よりも敏感な人は症状が強く出やすい傾向にあり、手足や声が大きく震えることがあります。

あがり症が強く出る人は、社交不安障害と呼ばれる精神的な疾患も疑われます。

緊張すると声が震える悩みの改善方法

ストレッチをする女性

緊張すると声が震えるという悩みを抱えている方におすすめの改善方法を6つご紹介します。

1. ストレッチをする

肩まわりや首回りなどの筋肉が凝り固まっていると呼吸が浅くなりやすいので、上半身の筋肉をほぐすストレッチを行いましょう。

スマホなどの使いすぎなどで強ばりやすい首は以下の方法でストレッチします。

  1. 首を左右に倒す×10回
  2. 首を上下に倒す×10回
  3. 首をぐるりと回る×左右5回

次に、肩や腕周りのストレッチを行います。両腕を横に伸ばしてからひじを90度に曲げ、肩で円を描くように前から後ろへぐるぐると回す動作を20回ほど繰り返します。

首・肩周りのストレッチは両方やっても2~3分で終わりますので、本番前はもちろん、日常生活でもルーティンとして続けていくのがおすすめです。

2. 姿勢を正す

猫背になっていたり、腰が反りすぎていたりすると、お腹にうまく力が入らず、張りのある声を出せません。

壁に背を向け、かかとを壁につけて立った時、後頭部・背中・おしりがそれぞれ壁につかない場合は、正しい姿勢を取れていない可能性があります。

正しい姿勢の取り方がわからないときは、まっすぐ立った状態で爪先立ちになり、ゆっくりとかかとを下ろしていくと、自然な状態で立つことができます。

3. 腹式呼吸を意識する

呼吸が浅くなりやすい人は、普段から腹式呼吸を意識して過ごしましょう。

腹式呼吸では、息を吸う時にお腹をふくらませ、吐く時にお腹を凹ませます。

いまいち感覚がつかめない場合は、仰向けになり、お腹に両手を置いて練習すると、お腹が上下する動きがわかりやすくなります。

4. 話すスピードを落とす

早口になると、息を吐く量(呼気量)にばらつきが出て、実際よりも声が震えて聞こえやすくなります。

もともと声が震えやすい人は、話すスピードを一段階落とし、呼気量を一定に保つことを意識しましょう。

声のスピードは1分間に300文字前後がベストといわれていますので、ストップウォッチを使って時間を計測しながら、一定のスピードで話せるよう練習すると効果的です。

5. 一息で話す量を減らす

プレゼンやスピーチなどで文章を読む際、一文が長いと息が続かず、後半になるにつれて声が震えやすくなります。

特に胸式呼吸の人は息をたくさん吸えないので、腹式呼吸の練習を行うと共に、一息で話す量を減らす工夫を行うことが大切です。

一息ついて呼吸を整えれば、気持ちを落ち着かせる余裕も出てきて、緊張や不安から来る声の震えを抑える効果も期待できます。

6. 緊張して当たり前だと開き直る

緊張して声が震える人は、「なぜ自分だけ…」と落ち込みがちですが、程度の差こそあれ、緊張して「あがる」のはごく自然なことです。

「自分だけ」と思い込むと緊張や不安が増長しますので、逆に「こんなときは誰でも緊張する。自分だけじゃない」と開き直ることも大切です。

どうしても緊張してしまうときは、プレゼンや発表会に臨む自分を「別の誰か」と認識するという方法もあります。

これから人前で話すのはいつもの自分ではなく、別の人格を持つ誰かであると暗示をかけておくと、恥ずかしさや緊張が和らぎます。

自信をもって発声するためのポイント

会議で話す女性

緊張や不安に負けず、自信をもって発声するためのポイントを3つご紹介します。

1. イメージトレーニングを繰り返す

自宅で繰り返し話す練習をしていても、いざ本番を迎えると、その場の雰囲気に飲まれて頭が真っ白になりがちです。

ただ文章を暗記するだけでなく、本番の状況を思い浮かべながら話し方の練習を行いましょう。

イメージトレーニングを繰り返していれば、練習時と本番のギャップが小さくなり、緊張や不安を低減させることができます。

2. 滑舌を良くする

言葉を噛んだり、引っかかったりしてしまうと、焦りから不安や緊張が強くなり、声の震えが強くなるおそれがあります。

「間違ったらどうしよう」「噛んだら恥ずかしい」といった気持ちは、話し出す前から緊張やストレスをもたらす原因となりますので、自信を持って堂々と話すためにも、滑舌を良くするトレーニングを実践しておきましょう。

具体的には、早口言葉を繰り返したり、舌を伸ばす・動かすといった舌筋トレーニングを実施したりすると、口や舌が滑らかに動いて滑舌の良い話し方になります。

3. 丹田に意識を集中させる

丹田とは、おへその下5~9cmほどのところにある部位のことです。東洋医学では気が集まる場所とされており、丹田に意識を集中させると体の軸が安定し、はっきりと通る声を出すことができます。

また、腹式呼吸を行う際も、丹田を意識すると副交感神経が優位になり、緊張やストレスの緩和につながります。

丹田の場所はピンポイントで探そうとすると難しいので、おへその下5~9cmの範囲はすべて丹田だと認識しておくと、意識を集中させやすくなります。

緊張で声がふるえる人は姿勢や呼吸法を見直してみよう

緊張で声がふるえる人は、心理的な問題だけでなく、発声に問題を抱えているケースが多く見られます。

本番に向けて心を落ち着かせると共に、腹式呼吸を意識したり、姿勢を見直したりして、正しい発声方法を身につけましょう。

「イメージトレーニングがうまくいかない」「練習でうまくいっても、本番で失敗しそうで怖い」という方は、スクールに通ってプロのアドバイスを受けるのがおすすめです。

Beeミュージックスクールでは、人前で話すときに声が震えてしまうというお悩みを抱えている方向けに「あがり症克服コース」をラインナップしています。

正しい発声の仕方から、苦手な場面を想定したロールプレイングまで、さまざまな方法であがり症の克服を全面的にサポートします。

ただし、声が震える原因として「発声障害」が起因している場合もあります。

 

普段の話し声にも違和感・出しにくさを感じる場合などは、私たちBeeミュージックスクールのようなお近くのボイススクールへの受診もご検討ください。

その上で、機能上問題ないと医療機関で判断された場合は、ボイストレーニングでの改善が見込まれます。

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愛媛県出身。2011年:株式会社ビー・ファクトリー入社。

15歳から劇団四季OB、東宝ミュージカルOBに演劇、ミュージカルを習い、1000人規模の舞台やミュージカル公演に出演を重ねる。音楽専門学校在学中の18歳から世田谷FMのラジオパーソナリティーを担当。卒業後TBS系列局に入社し、番組ナビゲーターや各種試写会、上映会MC担当。

その後事務所所属となり、舞台だけでなく、ドラマ、映画、バラエティーなど演技のフィールドを広げる。2011年にボイストレーナー転向を志し退所。

入社後これまでに、放送業界経験者として、出張レッスンも実施。NTTコミュニケーションズ、オイシックス、インタースペースなどの社員研修に組み込んでいただく形で企業セミナーを実施。

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