しっかりと通る発声や美しい歌声のためには、喉をはじめとした共鳴空間を使うことや筋肉をコントロールすることが重要です。しかし、やり方がわからないという方も少なくありません。
「喉を開く」「筋肉をコントロールする」には、声帯のストレッチがおすすめです。オーディションやスピーチなど、大切な本番の前には喉や声帯のストレッチを念入りにおこなうことで、練習の成果を存分に活かせるでしょう。
また、時間があれば喉や声帯のストレッチの前に、顔から足先まで全身のストレッチもおこなうとさらによいでしょう。とにかく発声には、身体中の血流をよくすることが大切なのです。
この記事では、喉や声帯のストレッチの具体的な方法をわかりやすく解説します。ストレッチをおこなうメリットや、怠ることで考えられるリスクについても説明します。ぜひ参考にしてください。

目次
歌う前や声を出す前には、共鳴空間(共鳴腔)や筋肉、声帯を柔らかく整えておくことが大切です。
具体的には、以下の4つのストレッチをおこなうとよいでしょう。
声帯を整えて、気持ちよく声が出るように準備をしておきましょう。
正しい深呼吸は、歌や発声に必要な呼吸量の増加につながります。
具体的な方法は以下のとおりです。
このサイクルを5回程度繰り返すことで、深い呼吸ができるようになります。
舌のストレッチをすることで、発音がはっきりして聞き取りやすくなります。舌はほぼ筋肉でできており(正確には、筋肉を主体とした粘膜・血管・神経などが付随した器官)、柔軟な動きは滑舌や共鳴腔の確保と直結しています。
舌の運動にはさまざまな方法がありますので、いくつか具体例を紹介します。
これらの方法を何度か繰り返しましょう。好きなものを組み合わせてみるのもよいでしょう。
リップロールとは、唇や表情筋をほぐすことで、声帯に負担がかかるのを防止するトレーニングです。方法は簡単で、唇を閉じた状態で息を吐き、その息で唇をぶるぶると震わせます。
リップロールが上手くできない場合は、以下の可能性が考えられます。
| 原因 | 対処法 |
| 顔に力が入りすぎている | 顔のマッサージなどをして力を抜く |
| 呼吸量が足りていない
(吐く息の量が足りていない) |
深呼吸をする |
原因に応じて、それぞれの対処法を実践するとよいでしょう。
ハミングは、声量やピッチ(音程)コントロール、高音発声を支えるのに役立つ「鼻腔共鳴腔」のコントロールがしやすくなります。
正しいハミングの方法は以下のとおりです。
課題曲などがある場合は、ハミングで歌うことで練習にもなります。
声帯のストレッチをおこなうことで得られるメリットは以下のとおりです。
それぞれ詳しく解説します。
声帯のストレッチをおこなうと、より広い音域で発声しやすくなります。
声帯の伸縮は、発声できる音域に直結します。そのため、日頃から柔軟性を保ち、伸縮度を高めておくと、幅広い音域の曲も歌いやすくなります。
声帯のストレッチは、ピッチ(音程)をコントロールしやすくなるというメリットもあります。
声帯に柔軟性があると、音域が広がるだけでなく、音程の細かな調整もしやすくなります。反対に、声帯が伸縮しづらいと、いざ出そうとした音程に当てにくくなることがあるでしょう。
声帯のストレッチを怠ると、以下のようなリスクの可能性があります。
実力を発揮できないといったリスクにつながる可能性があるので、継続することが大切です。
声帯のストレッチを怠ると、声帯を痛めるリスクが高まります。声帯の伸縮や柔軟性は、広い音域を発声する際に大切です。そのため、柔軟性がない状態で出し慣れていない高さの音を無理に出すと、声帯を痛める恐れがあります。
準備運動をせず、いきなり全速力で走るようなもの、と考えるとイメージしやすいでしょう。
声帯の伸縮や柔軟性は音程にも影響を及ぼします。音の高さを変える際には、声帯の伸縮が関わっているため、柔軟性が十分でないとピッチコントロールがしづらくなるのです。
特に、高い音域への移行がスムーズでなくなり、音階を正確に上げ下げすることが難しくなります。声帯が硬くなった状態では、細かなピッチ調整が困難になるため、歌唱中に音程がずれやすくなったり、同じ音を安定的に出せなくなったりします。
声帯の柔軟性を確保するために普段からおこないたい方法が、「サイレン発声法」です。
加えて、喉を痛めた人の治療の現場でも使われる「チューブ発声法」は、医学的にも根拠のあるストレッチ方法で、あわせておこなうと効果的です。[注1][注2]
それぞれ解説します。
[注1]NHK健康ch:自分でできる声帯ポリープの予防・再発防止策<話し方、保湿、のどのトレーニング
[注2]吉耳鼻咽喉科アレルギー科:自分で行う医学的ボイトレ(音声治療)
サイレン発声法は、救急車のサイレン音をイメージしながら声を出す発声練習です。出せる限りの低音から高音を滑らかに昇降します。
呼気が安定してきたら、音程を気にせずサイレンのように発声しましょう。低音から高音まで、出せる限りの低音と高音でやることで、声帯が十分に伸縮されます。
どこでも実践でき、特別な道具も不要なため、日常的に取り組みやすい方法です。
チューブ発声法は、ストローを使った声帯ストレッチです。前述したように、喉を痛めた人の治療にも使われています。ストローを通して声を出すことで、声帯に適切な負荷がかかり、効率的に柔軟性を高められます。
ストローを1本用意して、以下の手順でやってみましょう。
呼気量を一定に保っておこないます。回数は1日50回を目安としてください。
声帯のストレッチや、サイレン発声法・チューブ発声法をおこなうことで、美しい歌声や明瞭で通る発声につながるだけでなく、声帯ポリープなど喉を痛めるリスクを抑えられます。
体をほぐして声が出しやすい状態を作った後は、正しい声帯のストレッチをして喉の状態も万全に整えましょう。
「喉を開く感覚がなかなかつかめない」という方は、ボイトレ教室に通うのもおすすめです。プロのインストラクターがあなたの悩みに応じて指導してくれるため、自分に合った方法で効率よくトレーニングできます。
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