【ピアノの弾き方ガイド】基本姿勢から練習法・練習曲までを徹底解説

ピアノ初心者入門

2025/08/31

投稿者: Beepianoschool

【ピアノの弾き方ガイド】基本姿勢から練習法・練習曲までを徹底解説

ピアノを始めたものの、思うように上達できず悩んでいませんか?指が思い通りに動かない、楽譜が読めない、練習の仕方がわからないなど、初心者ならではの壁にぶつかることも多いでしょう。

しかし、適切な練習方法を知らないまま独学で練習を続けると、上達が遅れるだけでなく、誤った演奏習慣が身についてしまいます。

この記事では、ピアノを弾く基本姿勢から指の動かし方、効果的な練習方法、そして初心者でも楽しく弾ける練習曲を解説します。正しい知識と段階的な練習方法を身につけることで、一緒にピアノ上達への道を歩んでいきましょう。

ピアノ初心者のための基本姿勢

ピアノを弾く女性

ピアノを弾く際の基本姿勢は、演奏の質と長時間の練習を支える重要な要素です。正しい姿勢を身につけることで、演奏の効率が上がり、疲労や怪我のリスクを軽減できます

初心者のうちから正しい姿勢を意識することで、将来的により高度な技術を習得する際にも有利になります。では、具体的な姿勢のポイントについて見ていきましょう。

正しい座り方と姿勢

ピアノを弾く際の座り方と姿勢は、演奏の質に大きく影響します。適切な座り方と背筋の伸びた姿勢を保つことで、指や腕が大きくそして速く動かせるようになり、より安定した演奏ができます。また、正しい姿勢は腕や手首が不必要に緊張することを防げるため、身体への負担も軽減できます。

正しい座り方は、まず椅子の高さを調整することが重要です。鍵盤に指を軽く立てて置いたときに、肩の力を抜いた状態で手首と肘がほぼ同じ高さになるように調整します。鍵盤に手を置いた姿勢で、肘の角度が90度になるように、ピアノと椅子の距離も意識しましょう。

足の位置も重要なポイントです。両足を床にしっかりと接地させることは、安定したピアノ演奏の基礎となります。椅子の半分くらいのところに座った状態で、両足に体重をかけるように少し前傾姿勢になるのがピアノの基本姿勢です。

ペダルを使用する曲を演奏する際は、左足と右足のかかとで身体を支えます。この姿勢により体全体のバランスが取れ、安定した演奏ができます。

手と腕の位置

ピアノ演奏において、手と腕の位置も大切なポイントです。ピアノを弾く際、肘は体から少し離して自然に曲げた状態を保つことで、腕全体を使った演奏が可能になります。手首は鍵盤と平行に保ち、極端に上げたり下げたりしないようにしましょう。

指の形は、関節すべてを軽く曲げて丸みを帯びたカーブを描くようにします。手の中に卵を持っているイメージを持つとよいでしょう。指先の一番膨らんでいる部分で鍵盤を押さえる感覚を意識し、手のひら全体に力を入れすぎないよう注意します。

さらに、手と腕の脱力はスムーズな動きと音の表現力を左右する重要な要素です。手首を自然な角度に保ち、背中・肩・腕・指先に力を入れすぎないことが、美しい音色を生み出す鍵となります。

初心者の段階からこれらのポイントを意識して練習することで、将来的により高度な技術の習得にもつながります。

ピアノの弾き方で知っておくべき基礎知識

ピアノと楽譜

ピアノを弾くうえで、鍵盤の配置や指番号の理解は重要な基礎です。具体的な内容について見ていきましょう。

鍵盤の基本的な配置

ピアノの鍵盤は、白鍵52鍵と黒鍵36鍵の合計88鍵で構成されています。低音域から高音域まで、広く多彩な音で音楽を表現できるのがピアノの特徴といえるでしょう。ピアノで曲を演奏するのであれば、この鍵盤配置を正しく覚えなくては始まりません

ピアノの鍵盤は、7つの白鍵(ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ)と5つの黒鍵(シャープ#やフラット♭)で構成されています。黒鍵は2つと3つのグループで交互に並んでおり、この配置が鍵盤上の位置を把握する際の重要な目印となります。

たとえば、ドの位置を覚えるには、2つの黒鍵グループの左側の白鍵を探します。これがドの音です。このドを基準に、白鍵を右に向かって1つずつ移動すると「レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ」と続き、左に向かって移動すると「シ、ラ、ソ、ファ、ミ、レ」となります。

鍵盤の配置を覚えるには、実際に指で触れながら音を出し、視覚と聴覚、触覚を使って覚えるのが効果的です。毎日の練習の中で、鍵盤の位置を確認する習慣をつけ、素早く鍵盤を見つけられるようにしていきましょう。

指番号の基本と役割

指番号は、ピアノ演奏においてそれぞれの指をどのように使うかを示す重要な指標となります。弾きたい音に指を正しく振り分けることで、効率よく安定した演奏ができるようになります。複雑なフレーズでも適切な指番号を意識することで、スムーズに演奏できます。

ピアノの指番号は、両手とも親指から順番に1から5の数字が割り当てられています。親指が1、人差し指が2、中指が3、薬指が4、小指が5となります。両手でドレミファソと弾くと、右手は12345の順番なのに対して、左手は54321と数字が逆になるので注意しましょう。

特に初心者の段階では、楽譜に指番号が書かれていたら、それを忠実に守ることが大切です。これにより、効率的な指の動きを自然と身につけられます。練習の際は、ゆっくりとしたテンポで、指番号を意識しながら繰り返し練習することをおすすめします。

指を鍛える2つの練習

ピアノを演奏する女性

ピアノ演奏において、指を動かす基礎練習は、スムーズで表現豊かな演奏をするためには欠かせません。初心者のうちからこれらの基本を押さえることで、上達の速度が格段に上がります。では、具体的な練習方法を見ていきましょう。

1. 指の独立性を高める練習

ピアノ演奏の基礎は、柔軟で独立した指の動きにあります。適切なウォーミングアップとトレーニングをおこなうことで、指の柔軟性と独立性が向上し、より表現豊かな演奏が可能になります。

スポーツ選手が試合前にウォーミングアップをするのと同様に、ピアノ演奏者も練習や演奏の前に指のストレッチをおこなうことが重要です。

効果的なウォーミングアップの方法として、以下の2つのストレッチ法を紹介します。

  1. 指を反らすストレッチ
    • 親指以外の4本の指を揃え、もう片方の手でつかんでゆっくりと反らす
    • 親指は別途、反対の手で掴んで反らす
  2. 指を広げるストレッチ
    • 人差し指と中指の間に反対の手の親指と人差し指を入れ、ゆっくりと広げる
    • 同様に、中指と薬指、薬指と小指の間も広げる

指の独立性を高める練習は、毎日短時間でも継続することが重要です。10分程度の練習を毎日おこなうことで、徐々に指の動きがスムーズになり、複雑なフレーズの演奏もできるようになっていきます。また、「ハノン」という練習曲集も指の独立性を高めるのに効果的です。

【あわせて読みたい】指を独立して動かすためのトレーニング法やコツを紹介

2. スケール(音階)の練習

スケール(音階)の練習は、指の動きを滑らかにする非常に重要な練習です。正確でスムーズなスケールの演奏を目指すことで、複雑なフレーズでも演奏できるようになり、音楽的な表現力を向上させます。

たとえば、ドから始めるスケールの場合、右手は指番号が「1、2、3、1、2、3、4、5」の順に、ドレミファソラシドを弾きます。3から1に移るときは、中指の鍵盤を押したまま、中指の下に親指を潜り込ませて次の音を弾きます。

左手は「5、4、3、2、1、3、2、1」です。1から3に移るときは、親指の鍵盤を押したまま、中指を上から被せるようにして次の音を弾きましょう。この指使いにより、5本の指を効率的に使いスムーズにスケールを演奏することができます。

スケールを練習する際は、以下の点を意識してみましょう。

  1. ゆっくりとしたテンポから始め、徐々に速度を上げる
  2. 各音の音量を均等に保つ
  3. 親指を潜り込ませる際、手首を柔らかく使う
  4. 指を鍵盤から離しすぎないよう注意する

スケールの練習は単調に感じられますが、初心者のうちから毎日練習に取り組むことで、着実にピアノ演奏の基礎力を向上させることができます。

簡単にできる効率的なピアノ練習のコツ

ピアノを演奏する女性

 

初心者にとって、正しい練習習慣を身につけることは、技術向上と同時にピアノを楽しく続けるための重要な要素となります。初心者のための簡単なピアノ練習のコツについて、詳しく見ていきましょう。

適切な練習時間を設定する

適切な練習時間の設定は、練習をするうえで重要なポイントです。効果的なピアノ練習は、長時間ではなく、短時間に集中力を保った状態で取り組むのが鍵となります。

初心者の場合、まずは1日20分を目安に練習してみましょう。慣れてきたら、1日40分程度の練習時間が理想的です。人間の集中力の平均的な限界は40分といわれており、この時間内で練習することで、集中力を維持しやすくなります。

練習の頻度としては、可能な限り毎日の練習を目指しましょう。継続は力なりという言葉通り、毎日の短時間の練習は、週1回の長時間練習よりも効果的です。練習時間を適切に設定することで、無理なくピアノが続けられ、着実なスキルアップにつながります。

自分に合った時間帯で継続して練習する

練習のタイミングについては、自分のライフスタイルに合った時間帯を見つけることが、継続する鍵となります。

実際にさまざまな時間帯で練習してみて、どの時間帯が最も集中できるかを探ります。たとえば、1週間ごとに朝、昼、夜と練習時間を変えてみて、自分の上達スピードや満足度を比較してみるのもよいでしょう。

ただし、練習の際は周囲への配慮も忘れてはいけません。早朝や夜間に練習する際はヘッドフォンを使用するなど、家族の生活リズムを考慮しましょう。自分に合った練習の時間帯を見つけ、集中して練習できるルーティンを確立しましょう。

【あわせて読みたい】ピアノの上達に必要な練習時間の目安や時間の作り方

段階的に練習する

ピアノ練習において、段階的に練習することはとても大切です。複雑な曲や技術も1つずつ取り組むことで無理なく習得でき、挫折のリスクを減らすことができます

曲を弾くときは、2小節や4小節などの小さなセクションに分けて練習を始めるのがおすすめです。一度に曲のすべてを覚えるのではなく、セクションごとに弾けるようにしていきましょう。

右手と左手、それぞれ別々に練習することも大切です。各セクションを右手・左手別々に練習し、弾けるようになったらゆっくりのテンポから両手の練習を始めます。両手で弾けるようになってきたら、少しずつテンポを上げていきます。

段階的な練習は、各段階で達成感を得られるため、モチベーションの維持にも効果的です。最初は小さな目標から始め、徐々に難易度を上げていくことで、着実な上達を実感していきましょう。

【テーマ別】ピアノ初心者でも簡単に弾けるおすすめ練習曲

楽譜とピアノ

初心者にとって、簡単で弾きやすい練習曲を選ぶことは、モチベーションを保ちながら着実にスキルアップするためにも重要になります。以下、初心者向けのおすすめの簡単なピアノ練習曲について、テーマ別に詳しく紹介します。

ゆっくりとしたテンポの曲

ゆっくりとしたテンポの曲は、初心者が基本的な演奏技術を習得するのに最適です。テンポが遅いことで、音符や指使いに集中でき、正確な演奏を心がけることができます。

おすすめの曲として以下が挙げられます。

  • サティ「ジムノペディ 第1番」:ゆったりとした曲調で、ペダルの練習にもぴったり
  • シューマン「トロイメライ(夢)」:優しいメロディーラインで、表現力を養うのに適している
  • バッハ「前奏曲」:バッハが我が子の練習のために作った曲が含まれているため、初心者の練習にもおすすめ

ゆっくりテンポの曲を練習することで、音符の正確な長さや、フレーズのつながりを意識する習慣を身につけましょう。

簡単に弾けるディズニーの名曲

ディズニー映画の音楽は、親しみやすく取り組みやすい練習曲です。馴染みのある曲を演奏することで、楽しみながら練習でき、モチベーション維持にも効果的です。

おすすめのディズニーの曲は以下のとおりです。

  • 「星に願いを」(ピノキオ):ゆったりとしたメロディーで、初心者でもチャレンジしやすいシンプルな構成が特徴
  • 「美女と野獣」(美女と野獣):転調を特徴とするロマンティックな曲で、表現力を磨くのにぴったり
  • 「ホール・ニュー・ワールド」(アラジン):バラードとして幅広い層に愛される曲で、強弱のコントロールや感情表現を学べる

ディズニーの曲を練習することで、映画のストーリーを想像しながら表現力を磨きましょう。

簡単に弾けるジブリの名曲

ジブリ作品の音楽は、美しいメロディーラインときれいな響きの和音が特徴です。ジブリの楽曲を練習することで、オーケストラのような多彩な音の表現を身につけることができます。

初心者向けのおすすめのジブリの曲は以下のとおりです。

  • 「さんぽ」(となりのトトロ):スキップのような弾むリズムが特徴的な曲で、両手での演奏経験が少ない初心者でも安心して取り組める
  • 「もののけ姫」(もののけ姫):ゆったりとした美しいメロディーで、音の強弱によって表現力を練習するのに適している
  • 「君をのせて」(天空の城ラピュタ):美しいメロディーで、左手の音域が比較的狭いため初心者でも取り組みやすい

ジブリの楽曲の練習を通じて、基本的な演奏技術を磨きながら、音楽表現を楽しみましょう。

また、音符の読み方に慣れていない初心者でも簡単に弾ける、ドレミの振り仮名つきの楽譜も販売されています。子ども向けの曲や人気のある簡単な曲が多く掲載されているので、楽譜を読むのが苦手な人はぜひ活用してみてください。

ピアノを効率的に練習して楽しもう

この記事では、ピアノの基礎となる姿勢・知識や指の動かし方、ピアノ練習のコツについて解説しました。ピアノの弾き方をマスターするには、正しい姿勢と手の位置を意識し、それを意識した練習を継続することが重要です。

指の独立性を高める練習やスケールの練習などをおこない、適切な練習時間で段階的に上達しましょう。こちらで紹介した練習方法を取り入れ、ピアノの技術を磨きながら、ピアノライフを楽しんでくださいね。

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