歌っていて高音パートに差し掛かったとき、声が裏返ってしまった経験がある方は少なくないはずです。なぜ高音を出そうとすると、声が裏返ってしまうのでしょうか。
高音で声が裏返るのには、大きく4つの原因があります。きちんと原因を知っておくことで、対処法もより理解しやすくなるでしょう。
今回は、高音が裏返る4つの原因と、それを防ぐための3つの対処法について解説します。男性にも女性にも共通する原因や対処法ですので、声が裏返ると悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
高音を出そうとしただけなのに、声が裏返ってしまうと恥ずかしいですよね。
高音で声が裏返る原因は、次の4つです。
声の裏返りでお悩みの方は、まず自分が上記のどのパターンに当てはまるのかチェックしてみましょう。
声が裏返る原因の1つとして、呼気が強すぎることが挙げられます。
声の元になる音(原音)は、呼吸をしたときに出る空気(吐く息=呼気)によって声帯を振動させることで作られます。
「高音を出そう」と意識しすぎると、息を吐きすぎてしまうことがあります。すると、声帯が息を受け止めきれず、漏れてしまうことがあります。
歌っているときに限らず、緊張していたりテンションが上がったりして、思わずいつもより高いトーンの声が出てしまい、声が裏返ってしまったことがある方もいるでしょう。
このときも緊張などで息を出しすぎてしまい、声帯が受け止められず、裏返ってしまっている可能性があります。
声帯を閉じる力が弱いことも、声が裏返る原因です。
私たちが声を出しているとき、声帯はピッタリ閉じている状態(もしくはそれに近い状態)にあります。
しかし、声帯を閉じるには、開閉を司る「披裂軟骨」が機能していなければなりません。普段から息が漏れやすかったり、特定の音付近で裏返ったりする場合は、エクササイズをおこなって開閉力を鍛えることで、裏返るのを防げるようになります。
喉に疲れが溜まっている場合も、声が裏返る原因です。
発声は、たくさんの筋肉や粘膜によって成り立っています。脱水症状によって体内の水分が足りない状態や、喫煙などによる乾燥状態、発声をしすぎたことによる筋疲労が起きているケースもあります。
そういった場合は、何かしらの筋肉や粘膜の不全によって、声が裏返ってしまう可能性が高いといえます。
変声期は声帯周辺の筋肉に変化が起こっている状態なので、通常時よりも声が頻繁に裏返ってしまう方もいます。これは成長の段階に起きることで医学的な原因であるため、トレーニングで直すことはできません。
変声期ではないのに声が頻繁に裏返るという方は、喉に何らかの異変が起きている可能性もあります。
例えば、声帯に溝ができてしまう「声帯溝症」や、できもののようなものが声帯に生じてしまう「結節」や「ポリープ」などです。こういった場合は、全音域もしくは一部の音域にさしかかった際に息が漏れてしまいます。
あまりにも声が裏返ることが多いのであれば、一度耳鼻咽喉科、特に音声外科で診てもらうと安心です。
声が裏返る原因について解説しましたが、そもそもどのような仕組みで声は裏返ってしまうのでしょうか。
声帯は左右にひだがあり、打ち合うことで音を鳴らします。これが声です。左右の声帯はそれぞれ層になっていて、一番下の層が「声帯筋束」、その上にある2つの層が「声帯靭帯」、「粘膜上皮」と呼ばれます。
地声を出すときは、一番下の層である声帯筋がぶつかり合って声が出ます。一方、裏声を出すときは粘膜上皮だけがぶつかり合って声を出すので、地声より柔らかく薄い声が出るのです。
音程を上げて声を出すときは声帯が伸びるのですが、声帯は伸びると薄くなります。適切に伸ばされず、厚い声帯のまま高音へ昇っていくと、あるところで一瞬声帯が収縮し、その後で対になっている声帯と声帯が離れてしまいます。
これが声が裏返っているときに起きていることです。
声が裏返ってしまう原因やタイミングが理解できたら、次は高音で裏返ってしまうのを避ける方法を知って裏返りを防ぎましょう。具体的には、次の3つの対処法があります。
これらの対処法をきちんとおこなえば、高音で声が裏返るのを防ぐのはもちろん、歌の上達にもつながります。ぜひ試してみてください。
緊張しているときやテンションが上がったときに声が裏返ってしまう場合は、呼気(吐く息)の量やスピードを意識することで声の裏返りを防ぐことが可能です。
なぜなら、声帯は薄く小さいため、あまりにも勢いのある呼気では耐えられない可能性があるためです。
どんな呼気量やスピードであっても、耐えるにはそれなりの筋力が必要です(声帯の開閉を司る披裂軟骨の動きを鍛えるエクササイズによって解決できます)。
ミックスボイスをマスターすることも対処法の1つです。歌っているときに声が裏返ってしまうのは、地声と裏声の換声点でうまく声を出せていないことが問題です。
高い声に移行する際に裏返らないようにするには、地声と裏声の切り替えポイントである換声点をなくすことが大事です。
ミックスボイスは、通常裏声でないと発声が困難な高音域においても、地声の延長のような感覚と聞こえ方で発声できます。発声するためには換声点をなくす必要があり、声の裏返りを防ぐことにもつながります。
ここでも大事なのは、声帯の開閉を司る「披裂軟骨」の動きを鍛えるエクササイズです。
実はプロのアーティストの多くは、裏声で歌っているように感じられても、このミックスボイス(ミドルボイスやヘッドボイス)を使っています。
声帯を酷使した後や風邪などの後に声が裏返ってしまう場合は、何よりも喉を休ませることが大切です。
喉に疲れを感じるときはしっかり休ませましょう。喉を休ませても改善されない場合は、病院を受診してください。
今回は、高音で声が裏返る原因とその対処法について解説しました。
高音で声が裏返るのは、呼気の勢いが強すぎる、声帯を閉じる力が弱い、喉が疲れているなどの原因が考えられます。対処法としては、効率の良い呼吸の仕方や喉の筋トレ、喉を十分に休ませることなどが挙げられます。
声が裏返ってしまうのは声帯の仕組みによるものですので、ボイトレをすれば高音でも声が裏返りづらくすることは可能です。
普段から意識してトレーニングして、歌っているときも喋っているときも声が裏返らないように予防しましょう。
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