歌が上手くなる方法とは?プロが考える最も効果が高い練習法を解説!

上達への近道

2024/01/11

投稿者: 西 貴正

歌が上手くなる方法とは?プロが考える最も効果が高い練習法を解説!

僕のレッスンにお越しくださる方の多くは、以下のようなお悩みをお持ちです。

「プロっぽく歌うには難しいテクニックを身につけないといけないのでは…」
「発声が悪いから上手く聴かせることができない…」
「何から練習すればいいのかわからない…」

『歌が上手い』と言われる方たちには、共通していることがあります。

それは「一般人には真似のできない発声」でも「習得に時間がかかるテクニックを持っていること」でもありません。

歌が上手い方に共通していることとは、「音程の正確さ」「リズム感」「声量のコントロール力」の3つです。「なんだ!そんなこと?」と思う方もいるかもしれません。ですが、この3つがしっかり備わっていないとどんなに素晴らしいテクニックをもっていても、歌を上手に聴かせることは難しいのです。

本記事では、ボイストレーナー歴15年の僕が、歌が上手くなるための3つのポイントとレッスンにおいて多くの方を上達に導くことのできた「一番効果のある練習方法」を紹介します。

「アーティストのようにカッコよく歌いたい」「人前で自信をもって歌いたい」という方は、ぜひ最後までお読みください!

本記事で紹介している練習法を動画で観たい方は、こちらからご覧ください。

 

 

歌が上手い人に共通する3つのポイント

歌が上手いと言われる方には、そうでない方と比べると以下の3つがしっかりと備わっています。

  • 音程が正確である
  • リズム感がある
  • 声量をコントロールできる

「なんだ!そんな基本的なこと?」と思う方もいるかもしれません。

ですが、これらを蔑ろにしてはどんなかっこいいテクニックを身につけたとしても、歌を上手に聴かせることは難しいのです。

本章では、3つの重要性をそれぞれ詳しく解説していきます。

1. 音程が正確である

歌が上手いと言われる方は、音程が正確であり一つ一つの音を出すのに迷いがありません。そして、次の音に移るまでに音がブレることもないのです。

わざと元のメロディーから崩しても、しっかりと歌えている方を見かけることもありますよね。メロディーを崩してもしっかり歌えるのは、「ドレミファソラシド」のそれぞれの音程が正確であるからです。一方、音程に自信がないために、音を探り探りと歌ってしまう方がいますが、この場合は次の音に追いつけず歌を上手く歌えません。

カラオケの「採点機能」で、メロディーの音の上下が見えるのは皆さんご存知だと思います。音をはずさないで歌いきることをゴールにしているのをテレビ番組でもよく見かけますよね。これらは、歌を歌う人の音程の正確さ、次の音に移る際の音のブレがないかをみています。

「私は音痴だから……」と諦めていませんか?練習を繰り返すことで、音程を正確に出すことは可能です。

どんなテクニックを駆使するにも、まずは「音程の正確さ」を身につけることで表現力豊かに歌を聴かせることができるようになるのです。

2. リズム感がある

音の長さを正確に捉えることのできる力を「リズム感」と呼びます。リズム感があるかどうかも、歌を上手く聴かせるために必要な要素の1つとなります。

これも、カラオケの「採点機能」で見られるようになっています。

一つ一つの音の長さは曲によって決められており、それを繋げるとメロディーになるのです。

リズム感がないと、「ビブラート」や「しゃくり」などといった歌唱テクニックを駆使した際に、タイミングを外して次の音に間に合わないといったことが起きてしまいます。

しかし、リズム感が身につくと、どんなにテンポの速い曲でもタイミングを外してしまうことなく、遅れずに歌うことができます。

3. 声量をコントロールできる

歌が上手い方に共通する3つ目のポイントは、声量をコントロールできるかどうかです。実は、多くの方が「声量は大きい方が良い」と思っています。しかし大事なのは、小さい声と大きな声を使い分けることなんです。

小学生の頃、音楽の授業で「pp(ピアニッシモ)」や「f(フォルテ」といった記号を習ったのを覚えていますか?これらは、音の強弱の標語です。声に強弱をつけることで、歌に表情が生まれ、感動を呼ぶことができるようになります。

歌が上手い人は、声が大きい=声量があるだけでなく、時には囁き声ほどの小さな声をも効果的に使っています。

しかも、一文字単位で声量を変えることができると、さらに表情豊かに歌うことができ、プロっぽい印象を与えることができるのです。

歌が上手くなる練習方法は「好きな歌を完コピ」

声の響きを意識する女性

ここまで、歌が上手い方に共通するポイントをお伝えしました。

この章では、それらのポイントを効率よく身につけるための練習方法を4つのステップに分けてお話します。

  1. 好きな歌を選ぶ
  2. 細かく練習する(完コピを目指す)
  3. 自分の声を録音する
  4. 人に聴いてもらう

練習のポイントとなるのが、「完コピを目指す」ということです。完コピのメリットは、その歌で使われている音程やリズム、歌唱テクニックのみを練習するところにあります。

その歌に必要がない歌唱テクニックや発声練習を省くことができるので無駄がなく、効率的な練習方法です。たった1曲でも完コピできると、別の曲を歌う際にもそれまでとは全く異なる感覚で歌うことができるので、驚く方も多くいるほどです。

これまで「歌が上手くなりたい」というたくさんの方に実践いただき、最も効果が高いと確信した方法ですので、ぜひ参考にしてみてください。

Step1. 好きな歌を選ぶ

まずは、完コピの練習をするために使う歌を選びます。歌のジャンルは問いません。クラシックでも童謡・唱歌でもOKです。

「完コピ」をする上で重要なのは好きな歌を選ぶことです。もしくは、憧れのボーカリストの歌でも構いません。

耳馴染みのない歌を選ぶより、普段聴いている歌を選ぶことで、すぐに練習に取り掛かることができます。また、上手く歌えるようになったときの喜びも大きいはずです。

また歌を選ぶ際は、目指したい歌い方をしているボーカリストを一人見つけておくことをおすすめしています。

「ボーカリストの見つけ方が分からない……」といった方は、YouTubeやInstagramなどで探してみましょう。童謡や唱歌も、YouTubeなどで探せば大抵は声楽家やポップスのボーカリストが歌っている音源を見つけることができます。

ほかにも歌を選ぶ際に注意したいのが、難易度です。とても難しい歌を選んでしまうと、練習することが多くなるため注意が必要です。

(ですが、やりがいもあります!)

Step2.細かく練習する(完コピを目指す)

歌を選んだら、それを歌っているボーカリストの息の混ぜ方、声色、口の開け方、響かせ方、声量、テクニックや癖などを細かく真似していきます。

これが最も効率よく歌が上手くなる方法です。細部まで真似することを「完コピ」と呼びます。

この完コピについて、以下のように言われる方がいます。

「誰かの真似をするなんて、オリジナリティが出ないのではないか?」
「自分の良さをかき消してしまうのではないか?」

安心してください。

この練習方法を実践された方は、単なる真似で終わることなく、自分らしい歌を見つけられています。

これまで担当させていただいたレッスンの中で、最も細かなアドバイスは

「フレーズの最初の一文字だけ抜き出して、正確な音の高さ、そのボーカリストの息の混ぜ方や声量、口の開け方、響かせ方などを完コピする」

というものでした。

「そんなに細かく練習しなければならないの!?」
「歌の練習が嫌いになりそう…」

そう思われる方もいますが、一文字だけの練習でもたくさんの気付きを得ることができます。

「一文字だけでも面白い!」と言われる方も多いので安心してください!

練習する範囲をなるべく短く区切ることで、一つのメロディー(フレーズ)に対する意識が変わり、見違えるような歌を歌えるようになります。

特に冒頭からお伝えしている「音の正確さ」「リズム感」「声量のコントロール」は僕の経験上、最初は短いフレーズで練習する方が圧倒的に上達が早い傾向にありました。

細かく音を捉える意識がつくことで、それまで何となく聴いているだけでは気付けなかったテクニックが見えてくることもあり、ますますその歌やボーカリストへの愛情が深まる方も多くいます。

音楽の聴き方が変わり、楽しさが倍増しますよ!

Step3. 自分の声を録音する

細かい練習がある程度終わったら、自分の歌声を録音して聴いてみましょう。以下の視点をポイントに自分の歌声を聞いてみてください。

ポイント 解説
声を張りすぎていないか 全ての部分で声を張っていないかチェックしてみてください。小声で歌う部分を作るからこそ、ダイナミックに聞かせたい部分を際立たせられるのです。
声を伸ばしすぎていないか 特にバラードなど、テンポが遅い曲の場合、歌い方もまったりしがちですが、その分、語尾を伸ばしすぎてしまうことがあります。

次の音に乗り遅れてしまうだけでなく、間伸び感が出てしまうことがあるので注意しましょう。

声がこもっていないか 歌うことに慣れている方も、意外と口が開いていないことが多々あります。

口は、横に広げるよりも縦に広げる意識を持つと、口の中だけでなく、喉の空間にも余裕が生まれるのです。この意識を持って歌うことで、豊かな響きを得られます。

自分ではできているように思えても、客観視して聴き返すと案外そうでないと気づくことが多くあります。

外国語の練習と同じです。録音して聴いて、できていないところを修正する。この繰り返しが最短距離で上達へ導いてくれます。

Step4. 人に聞いてもらう

「自分の声を客観的に聴いてもできているのか判断できない……」

そういう方は、勇気を出して誰かに聴いてもらい、感想をもらうのがオススメです!

ボーカルレッスンの受講を検討してみるのもよいと思います。

ボーカルレッスンではボイストレーナーが現状を細かくフィードバックしてくれたり、できていない部分に対するアドバイスをしてくれます。

特に音程を正確に捉えることは、とても難しいものです。

毎日正確な音を耳にし、意識しているプロだからこそ、自分だけでは気づきにくい視点で教えてもらえます!

さらに歌が上手くなるには「ソルフェージュ」を使おう

声帯閉鎖のトレーニングをする男性

ここまで、好きな歌を用いて細かく練習する=完コピの練習方法をお話ししました。

しかし、以下のような方もいます。

「音程の正確さを身につけるために、もっと複雑なメロディーで練習したい」
「1曲ずつ完コピするのではなく、どんな曲にも応用できるような練習がしたい」

そんな方におすすめの、少し上級者向けの練習方法が「ソルフェージュ」です。

ソルフェージュとは、楽譜を読む力を学ぶ訓練方法です。ボーカルレッスンにおいても音程の正確さやリズム感、声量コントロールはもちろん、あらゆる歌唱テクニックの習得に役立ちます。

ソルフェージュの教本を見てみると、歌詞のないメロディー集であることが一目で分かります。最初のページはシンプルなメロディーなのですが、ページをめくるごとに複雑な音程やリズムのメロディーとなっていくのです。

ソルフェージュの教本を参考に、最初はピアノなどの楽器で音を確認しながら合わせて歌う練習をします。慣れたら伴奏や楽器で弾くガイドメロディーなしに、アカペラで歌います。

普段耳にすることのないメロディーを覚えて歌うことで、さらに音程やリズムに対する意識が深まるのです。

一人で行うのはなかなか難しいので、ご興味のある方は「ソルフェージュを用いた練習をしたい」とボイストレーナーに尋ねてみるのもよいでしょう。

家でできる歌の練習方法

歌を練習する女性

最後に、家でできる歌の練習方法をお話します。

これは僕自身も行っている方法ですし、僕のレッスンをご受講くださる方にもお伝えしている内容です。

とてもシンプルですが、確実に効果がありますので、ぜひ参考にしてみてください。

自分の歌声を録音して研究する

家でできる歌の練習の1つは、自分の歌声を録音して研究するといった方法です。

具体的には以下の手順でおこなうことをおすすめします

  1. メロディーを覚えてある程度歌えるようにする
  2. 自分の歌声を録音して聴いてみる
  3. 自分の歌声とプロの歌声を比較し、声量のコントロールや口の開け方、声の響かせ方などのテクニックを真似する
  4. 2・3をひたすら繰り返す

実際に自分の歌声を聞いてみると「こんなふうに歌っているとは思わなかった…」「目指したい歌い方と全然違う」と感じる部分があるはずです。

憧れのボーカリストの歌い方に近づけられるよう声量のコントロールや口の開け方、声の響かせ方などのテクニックを真似してみてください。

歌が上手くなるための練習方法でもお伝えしたように、歌を完コピを目指すことを推奨していますが、少しの意識の変化だけでもグッと見違えるように変わるはずです。

ちなみに、表現を工夫する作業はプロのボーカリストでも必ず行います。こういった作業工程をボーカルディレクションと言います。

『ボーカル・ディレクション』を挟むことで、「なんとなく歌った歌」より、どんどん「聴いてもらいたい歌」に変わっていきます。

もちろんこれらの工程は、気持ちよく歌うためだけなら必要がありません。

あくまで「歌が上手い」と思ってもらえるための練習です。

歌う曲を聴き込んで覚える

上手く歌いたい歌があれば、とにかく聴き込むことが大切です。プロであっても、1~2回しか聴いていない歌を正確に歌うのは難しいことです。

上手く歌えない方の多くは「覚えていない」だけであるためです。逆をいえば、しっかり聴き込んで練習すれば、大抵の場合は上手く歌えるようになります。

よく、元のメロディーを崩して自由に歌うボーカリストを見かけることがありますよね。

そういった方も大抵は、しっかり元のメロディーを聴き込み、歌えるようになってからアレンジを加えています。

僕自身、以下の通りに聴き込んで覚えています。

1. 歌詞を見ながら音源を聴き、メロディーを覚える

メロディーを覚える際には、音程とリズムだけに注力してください。ここでは、声質やボーカリストが使用している歌唱テクニックなどの「表現」は無視します。

よく、1コーラス目と2コーラス目でメロディーが異なっている場合がありますよね。そういった点に注意して覚えます。

2. 歌詞を見ながら心の中で歌う

メロディーを覚えたら、まずは音源を聴きながら心の中で歌いましょうす。声を出してしまうと音源がかき消され、間違って覚えていても気づけないことがあるため注意が必要です。

実際の音源を聴きながら心の中で歌うことで、声を出して歌ったときに音源通りにコピーしやすいという効果があります。

そのため、心の中での自身の歌唱に集中するのではなく、音源を注意深く聴くことが大切です。

3. 声に出して歌う

心の中で歌う練習を終えたら、いよいよ声を出しての練習に入ります。この際、どんな声でも構いません。

「そもそも高い声や大きい声が出ないから歌うことができない」と言われる方がいますが、歌いたい歌を軸に練習することをおすすめしています。

その理由は、「高い声の練習」「声量を増やす練習」を集中的に練習するよりも、歌いたい歌を軸に練習する方が習得が早いのを、これまでのレッスンを通じて痛感しているからです。歌いたい歌が軸にあることで、音域や習得したい声を明確化しやすい傾向にあります。

そのため、まずは歌いたい歌を見つけ、メロディーを覚えることが何よりも大事なのです。

上手く歌えるようになると誰かに聴かせたくなる!

上手く歌うための3つのポイントと効果の高い練習方法について解説しました。

上手く歌えるようになると、皆さんこう言われます。

「だんだん自分の声が好きになってきた!」

歌が上達すると自信を持つことができるので、誰かに聞かせたくなる方も多くいます。

今はSNSを使って顔を出さずとも誰かに聴いていただける時代ですし、ミニコンサートを企画し、ご家族や友人の前で披露することもとても楽しい思い出になりそうですね。

もちろん、今回お話した内容はプロの現場でも大事にしている考え方です。

メジャーデビューしている方や、舞台で歌う方にとっても必要不可欠なポイントばかりです。ぜひ本記事を参考に、歌の練習の際に意識して取り入れてみてください。

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