絶対音感とは、基準音がなくても聞こえた音の高さを即座に判別できる能力です。
一方の相対音感は、基準音との比較によって音の高さを判断する力で、大人になってからでも訓練で習得できます。
今回は、絶対音感と相対音感の違いやそれぞれのメリット・デメリット、さらに相対音感を鍛えるための5つのトレーニング方法を紹介します。

目次
絶対音感とは、ほかの音と比較しなくても、聞こえてきた音を瞬時に音名で判別できる能力のことです。
たとえば、ドアを閉める音を「シ」、物が落ちた音を「レ」、新聞を広げる音を「ソ」といったように、日常のさまざまな音を正確な音階に当てはめられます。
もちろん、すべての音が「ドレミ・・・」の音階に当てはめられるわけではなく、「ソとラ♭の間」といった環境音も存在し、それも判別できるのです。
絶対音感を持つ人はごく少数で、人口の1%以下といわれています[注1]。また、文化圏・幼少期の音楽教育に依存するともいわれています。
[注1]出典:音声言語医学 41:絶対音感と音痴[pdf]
絶対音感を持つ最大のメリットは、音を聞いた瞬間に正確な音名を把握できる点です。そのため、譜面を素早く読み取れたり、ソルフェージュなど音感を試される試験でも有利になったりします。
また、音程を判断するための基準音がなくても判別できることから、移調や転調のある楽曲でもスムーズに対応できる人もいますが、これは得意・不得意が分かれるようです。
オーケストラや合唱など複雑なアンサンブルにおいても、正しい音程を瞬時に把握できることは大きな強みといえるでしょう。
一方で、絶対音感にはデメリットも存在します。日常生活で耳に入るあらゆる音が音階に変換されるため、雑音の多い環境では集中しにくいと感じる人も珍しくありません。
さらに、カラオケや演奏会などで音程が少しでもずれていると気になってしまい、純粋に音楽を楽しめないこともあります。
相対音感は、基準音に対して、次に聞こえてきた音の音程差を正確に判別できる能力です。たとえば、基準音が「ド」の場合、次に指示された音を聞いたとき、「基準音よりも6度高い=ラ」といったように判別します。
比較する音がなくてもどの音かを正確に判別できる絶対音感とは異なり、音を判別するための基準音が欠かせません。
相対音感を身につけると、歌を覚える感覚で楽譜を理解できるようになります。また、聴いたメロディーやコード進行を正確に把握できるため、耳コピによる演奏もしやすくなります。
この能力は、演奏家や作曲家、歌手として活動する人にとって非常に役立ちます。音楽制作やアンサンブルの場でも、自分の耳で音程や和音の変化を判断できることは大きな強みとなるでしょう。
相対音感に大きなデメリットはあまりありませんが、基準音がないと音名を正確に判断できないため、単独の音だけを聞く場面では不利になることがあります。
また、複雑な和音や転調の多い曲では、音程の差を把握するために集中力が必要です。ただし、これらは訓練で改善でき、比較的多くの人が習得可能な能力です。

絶対音感が身につくかどうかは、聴力が発達する幼少期の日常環境の影響が大きいようです。
トレーニングを始めるなら、年齢が低いほど習得の可能性が高く、保護者の協力のもと、幼児期(4〜5歳)から積極的に取り組むことが推奨されます。大人になってからでは、どれほど訓練しても絶対音感を身につけることは難しいと一般的には考えられています。
一方で、相対音感は成長後でも後天的に習得可能な能力です。ある程度の相対音感は誰もが持っており、毎日のトレーニングで鍛えることで、よりスムーズに音程を判別できるようになります。
ただし、相対音感は音の高さを聞き分けるだけでは不十分で、聞き取った音を正しい音階で演奏したり歌ったりするアウトプットの力も求められます。
英語の勉強にリスニングとスピーキングが必要なのと同様に、相対音感を音楽活動に役立てるには、インプットだけでなくアウトプットの訓練が欠かせません。
幼少時からの訓練が有利である絶対音感とは異なり、相対音感は訓練次第で大人になってからでも習得できる能力です。
相対音感を鍛えるには、ただ音楽に触れるだけでなく、いくつかのコツを押さえて訓練する必要があります。具体的には以下のとおりです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
まずは日頃から楽器に触れる、楽器を演奏する習慣を身につけましょう。楽器は必ず調律して、音程を正確に聞き取れるものを利用します。
簡単な楽曲でもよいので、毎日欠かさず演奏することが重要です。慣れてきたら、アドリブ演奏(=自由に演奏する)をしてみましょう。
「自分でメロディーを作って演奏することは難しいことのように感じますが、深く考えず、同じ音を並べたり伸ばしたり、気軽に演奏してください。」
相対音感の訓練になるだけでなく、演奏力や作曲力の向上にも効果的です。
ピアノで演奏した音に合わせて、「ドレミ」や「あー」などの母音で音階を声に出すだけの簡単なトレーニングです。
手軽なうえに効果も高いため、ピアノを持っている場合、または用意できる場合は、ぜひ取り入れたいトレーニングです。
コード進行を把握したい、コード演奏がしたいという場合は、楽曲の伴奏を耳で聞き取ってコピーする方法がおすすめです。コード上の音や音程を正確に判別する訓練になります。コーラスの耳コピは、インプットだけでなくアウトプットの訓練にもなります。
まずは3度上(「ド」に対する「ミ」)のコーラスから耳コピし、慣れてきたら次は5度上(「ド」に対する「ソ」)と、徐々に難易度を上げていきましょう。音を正しく聞き取り、正しい音階を発声することがポイントです。
コーラスによっては、ボーカリストの声質やレコーディング環境によって聞き取りづらい場合もあります。どうしてもコーラスが聞き取れない場合は、バンドスコアの譜面に載っているコーラスラインを確認してみましょう。
楽器の演奏や音階の聞き取り、耳コピに慣れてきたら、耳でコピーした曲を楽譜に起こして歌ってみましょう。
楽譜に起こすことで音階を改めて認識し、その音を頭で響かせながら歌うことは、効果的なイメージトレーニングです。この訓練を繰り返すことで、楽譜を見るだけでどんな楽曲なのかを理解しやすくなります。
ハモリのラインを聞きながら主旋律を歌うトレーニングは、和音感覚を鍛えるのに効果的です。和音感覚が鍛えられると、音を聞き分ける能力が向上し、メロディーがわからなくなったときでも、自分の発声した音階を即座に理解し、正しい音を出せるようになります。
また、R&Bなどで用いられる「フェイク」や「アドリブ」などの歌唱テクニックができるようになります。
特定の音を聞いたときにすぐ音の高さを判別できる絶対音感を身につけるには、幼少時からの訓練が有利といわれています。
一方、相対音感は、2つの音を比較して、音の高さを聞き分ける能力です。音楽の旋律やコード進行を耳で聞き取って把握したり、楽譜を読んだりする際に役立ちます。
訓練次第で大人になってからでも習得できるため、歌手や作曲家、演奏家を目指す人は、今回ご紹介した訓練方法をぜひ実践してみてください。
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