こぶしとビブラートの違いや使い分けのポイントを解説

上達への近道

2021/06/22

投稿者: 西 貴正

こぶしとビブラートの違いや使い分けのポイントを解説

こぶしとビブラートはどちらも音を揺らす方法です。しかし、同じ「揺らす」でもその2つには違いがあります。こぶしとビブラートをマスターするには、それぞれの違いを知っておかなければなりません。

今回はこぶしとビブラートの違いや発声方法、2つのテクニックを使い分ける方法を紹介します。

こぶしとビブラートの違い

まずはこぶしとビブラートの違いを説明していきます。

こぶしは一瞬音を揺らすテクニック

こぶし(小節)は一瞬音を唸りあがらせたり、素早く上下させたりするテクニックのことを指します。楽譜には書き表せないほどの小さな節を揺らすことが名前の由来です。

こぶしはビブラートと同じく、語尾の音を揺らします。こぶしの場合は、「たー」と伸ばすときに「たぁぁ」と母音を2回言うようなイメージで歌います。最初の母音と次の母音の音程を微妙に変えることで、歌にアクセントを生み出すのです。

こぶし=演歌というイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし、こぶしはカラオケの採点機能などでも使われる言葉です。ポップスやロック、R&Bでも、こぶしという表記が出てきます。

歌にインパクトを与える効果があるこぶしは、演歌だけでなく、ほかのジャンルの歌でも使われるテクニックです。演歌の場合は、しっかりこぶしを効かせることが多いですが、そのほかのジャンルではこぶしとわかるかわからないかの微妙なさじ加減で入れていることもあります。

ビブラートは長い音を細かく揺らすテクニック

ビブラートもカラオケの採点機能では必ず出てくるテクニックです。

一瞬だけ音を上げ下げするこぶしとは異なり、ビブラートは語尾の音を一定の間隔で細かく揺らします。

たとえば、「たーーーー」と言う語尾を「た〜〜〜〜」と伸ばすようなイメージです。〜の記号が表すように波打つイメージで音を揺らします。音を微妙に揺らしますが、大きな音程の違いはつけません。

ビブラートは音を途切れさせずに息を長く続けて音を揺らす必要があります。ロングトーンで音を伸ばすことが多いサビの終わりなどにビブラートを入れると、音が平坦になりません。音が心地よく響くので、ビブラートを入れている人の歌声は上手に聞こえます。

また、一音を伸ばしながら揺れの周期を変えることで、音に表情が加わります。

こぶしとビブラートの発声方法

腹式呼吸

こぶしとビブラートを使いこなすために大切なのが、発声方法です。

ここでは、こぶしとビブラートに必要な発生方法を紹介します。

横隔膜を使う

こぶしは母音を2回発音する感覚で、最初の母音と次の母音の音程を変えなければなりません。滑らかに音程を変化させることによって、こぶしとなるのです。

こぶしを使うときは、横隔膜を揺らすことで音を上下させます。

横隔膜はみぞおちの少し上にあるので、実際に手で触ってみましょう。「あー」と声を出しながら、横隔膜に一瞬力を加えると音がうねります。横隔膜に力を入れるのが難しい場合は、「あー」と声を出しながら横隔膜を一瞬押してみましょう。音が変化するのがわかるはずです。

次に、ビブラートについて紹介します。ビブラートの出し方は3つあり、なかでも一番高度なのが横隔膜を揺らす方法です。

こぶしのときと同じように、今度は「あーーーー」と声を出しながら横隔膜に微妙に力を加えたり抜いたりして音を揺らしてみましょう。ビブラートの場合は、こぶしのときよりも加える力を少なくして、微妙に揺らす必要があります。

ロングトーンを使う

ロングトーンは一定の音を安定して長く出し続ける発声方法です。長く音を伸ばすビブラートだけでなく、一瞬揺らした音を強調するこぶしを効かせるためにも、ロングトーンは欠かせません。

ロングトーンを使いこなすためには、息をゆっくり同じ量吐き続ける必要があります。簡単に思えますが実際やってみると息を安定させて吐くのは難しいです。

ロングトーンは発声の基礎なので、ぜひマスターしてください。

ロングトーンは中音域から高音域にかけて使われるテクニックです。裏声やミックスボイスで練習しましょう。

ロングトーンを伸ばすことができるようになると、歌の印象も良くなります。さらにビブラートをプラスすれば、心地いい声を響かせることができるでしょう。

こぶしとビブラートに共通の呼吸法

腹式呼吸はこぶしとビブラートに限らず、ほかのテクニックや歌唱法でも必要です。腹式呼吸ができないことには、こぶしとビブラートに必要な発声ができません。

こぶしもビブラートも横隔膜を揺らして発声します。横隔膜を揺らすためには、腹式呼吸が必須なのです。

また、ロングトーンで長く安定した息を吐き続けるためにも、腹式呼吸が欠かせません。

腹式呼吸ができれば声量もアップしますし、息継ぎも自然にできるようになります。歌の基本となる呼吸法なので、必ずマスターしましょう。

いきなり横隔膜を揺らす練習やロングトーンの練習をするよりも、まずは腹式呼吸を体に染み込ませた方が効率的です。

腹式呼吸を練習するときは、仰向けになってお腹に手を当てましょう。息を吸ったときにお腹が膨らみ、吐いたときにへこんでいることを意識します。無意識にできるようになったら、息を吐くときに声を出してください。

ここまでできるようになったら、今度は立った状態で同じように呼吸します。普段から腹式呼吸を意識しておけば、自然と身についていくでしょう。

こぶしとビブラートを使い分けるには?

歌う女性

こぶしとビブラートは、「音を揺らす」テクニックでるということが共通しています。必要となる発声方法も同じです。

しかし、それぞれの効果は異なるため、歌を上達させたいなら、うまく使い分けなければなりません。

こぶしを使うタイミング

音を上下させるように揺らすこぶしは、歌に力強い表情を与えます。

演歌歌手はこぶしを入れるときに拳を握っている人も多いですが、実際にこぶしは1つの音にギュッと力を入れるので、その音にメリハリが生まれるのです。そのため、こぶしは音を強調させたい箇所で使いましょう。

また、こぶしは使いすぎるとしつこい印象になりがちです。何箇所も入れるとこぶしの印象だけが残ってしまい、歌の世界観が伝わりづらくなってしまいます。

サビの一箇所だけなど、曲の中で強調したい箇所を選んで入れるようにしましょう。

ビブラートを使うタイミング

音に表情を与えるビブラートは、歌にインパクトを与えるテクニックです。ピンポイントでアクセントをつけるこぶしと違い、ゆったりと響かせることで余韻を残します。

ビブラートを使うときは、ロングトーンで語尾を伸ばしましょう。音を強調させながらも、染み入るように心地よく響かせることができます。

また、歌の終わりに使うビブラートは、「たーーーー」と、平坦に伸ばすのではなく、「た〜〜〜〜」と波打つような音にすることで、曲の終わりが間延びしません。平坦になりがちな音に、情緒を加えることもできます。

似ているようで違うこぶしとビブラートをマスターしよう

こぶしとビブラートは「音を揺らす」という共通点があります。発声法・呼吸法も共通しており、似通ったテクニックといえるでしょう。

しかし、それぞれを使った歌の印象は大きく違います。

こぶしもビブラートも、歌に表情を与える欠かせないテクニックです。表情豊かな印象を与える歌になるよう、両方のテクニックをマスターしましょう。

まずは、腹式呼吸が自然にできるように練習することをおすすめします。

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