譜読みとは?基礎知識や練習方法、早く読めるようになるコツを紹介
ピアノ初心者入門
2025/09/24
譜読みとは、初めて弾く曲の楽譜を見て、一通り弾けるようにする作業のことです。譜読みをする際は、リズムや音符を正確に読みながら、曲全体の構成や雰囲気の変化を理解するのがポイントです。
譜読みが苦手な方も非常に多いですが、音符やリズムの読み方を始め、ちょっとしたコツを知っていると、楽に譜読みができるようになります。
この記事では、基本的な譜読みの方法と練習方法、さらに早く読めるようになるコツを紹介します。ぜひ参考にしてください。
譜読みとは曲を一通り弾けるように練習すること
ピアノや楽器で曲を完成させる工程には、「譜読み」と「弾き込み」という2段階があります。そのなかで「譜読み」とは、初めて弾く曲の楽譜を見て、一通り楽曲を演奏できるようにする作業のことを指します。
しかし、「一通り弾ける」に対するイメージは人によって違います。たとえば、下記のようにどこまでを「譜読み」の範囲にするかは、明確に定義されていません。
- 一定の速度で曲を通して弾ける(音や強弱の間違いがあってもよい)
- 音符や強弱を間違わずに通して曲を弾ける(テンポはゆっくりでかまわない)
そのため、講師から譜読みをするよう言われた場合などは、譜読みに対するイメージを事前に共有することが大切です。どれくらいの完成度を目標とするのか、事前に確認しておきましょう。
譜読みの練習方法3ステップ
ここでは、譜読みをスムーズに進めるコツと練習方法を3つのステップで解説します。
- 演奏前に楽譜の全体像を把握する
- 片手で練習する
- 両手で練習する
効率的に譜読みをするためには、いきなり曲を弾かずに、曲の全体像を把握することが大切です。
ステップ1. 演奏前に曲の全体像を把握する
演奏前に楽譜全体を眺める時間を設けましょう。楽譜を眺める際は、音を1つずつ見ていくのではなく、下記を参考にざっくりと全体を見るようにします。必要に応じて書き込みをして、さらに理解を深めましょう。
- 拍子の確認
- 調性の確認
- 繰り返しの確認
- 転調する部分はないか
- メロディの流れ
- 伴奏の変化
- パターン化された音符の動きはないか
- 難しそうなリズムはないか
- 音の強弱
- 和音の確認
これらを一通り確認することで、曲の構成やイメージが掴めるようになるでしょう。
また、難しそうなリズムは事前に確認する、曲で重要となる強弱部分に印をつけて見落とさないようにするなどの工夫をすることで、スムーズに練習できます。
ステップ2. 片手で練習する
楽譜全体の確認が終わったら、片手から練習していきましょう。片手ずつ練習することで間違いに気がつきやすくなり、正しい演奏が身につきます。
和音や強弱、表現通りの演奏ができているか、丁寧に確認しながら練習を進めていきましょう。
ステップ3. 両手で練習する
左右それぞれの練習が終わったら、両手で練習をしましょう。テンポ通りに弾くことは意識せず、ゆっくりとしたテンポから練習を始めましょう。
左右合わせると上手く弾けない箇所は、さらにテンポを遅くして、繰り返し練習しましょう。苦手な箇所をそのままにした状態で通して練習しても、弾けるようにはなりません。弾けない箇所は部分的に練習し、弾けるようにしてから先に進みましょう。
つまずく箇所が少なくなったら、一定のテンポを保って弾けるように練習していきます。
注意:譜読みの方法は講師によっても指導が異なる
ピアノがある程度弾ける人であれば、譜読みを最初から両手で練習して曲の全体像を掴んでから、片手ずつ苦手な箇所を練習するという方法もあります。
譜読みを片手から始めるか両手で始めるかは、講師によっても意見が分かれるポイントです。それぞれのメリット・デメリットは下記の通りです。
譜読みの方法 | メリット | デメリット |
両手で始める | 譜読みを効率化できる | 表現が大雑把になる |
片手ずつ始める | 正しい表現が身につく 初心者でも取り組みやすい |
時間がかかる |
音楽教室に通っている方は、あなたに合った譜読みの方法を講師に相談してみましょう。
譜読みを上達させるメリット
ピアノが上手くなるうえで、譜読みが早くできることは重要な要素の1つです。譜読みの力を上達させるメリットにはどのようなものがあるのか、詳しく見ていきましょう。
ピアノが早く上達する
譜読みが早くなるメリットとして、まずピアノが早く上達することが挙げられます。ピアノのテクニックが本当に上達するのは、譜読みをしているときではなく、一通り弾けるようになった後の「弾き込み」をしているときです。
譜読みが早くできるようになると、弾き込みの練習に使える時間が多くなり、それだけピアノが早く上達できるようになります。また、譜読みの力がつくと楽譜に苦手意識がなくなり、ピアノの練習が楽しいと感じられるようになるでしょう。
表現力豊かに演奏できる
譜読みの力がつくと、曲の強弱やアーティキュレーションなど、音の表現を意識できるようになります。そうすることで、表現テクニックが上達するとともに、曲の背景を踏まえた豊かな演奏ができるようになるでしょう。
表現力豊かな演奏ができるようになるためにも、譜読みは欠かせないポイントといえます。
譜読みを早くする方法は?4つのコツを紹介
譜読みが早くできるようになるためには、いくつかのコツがあります。具体的には下記の通りです。
- 手元を見ずに演奏する
- 少し先の楽譜を見る
- 最初から暗譜しない
- セクションに区切って練習する
なかでも、手元を見ずに弾くブラインドタッチは演奏のベースとなる技術なので、必ず身につけましょう。
1. 手元を見ずに演奏する
譜読みを早くするためには、楽譜を見ながら演奏をするのがポイントです。演奏中は極力鍵盤や手元を見ないように練習しましょう。
ブラインドタッチは、意識的に練習することでできるようになっていきます。最初は5指固定で弾ける簡単な曲を練習して、徐々に慣らしていくのがおすすめです。
2. 少し先の楽譜を見る
音楽を止めずに演奏をするためには、常に少し先の楽譜を見て、準備しておく必要があります。
音符は一つひとつ目で追うのではなく、1,2拍の音を「固まり」として見るのがポイントです。慣れてきたら、1小節の音とリズムをまとめて把握できるようになると、さらに譜読みが早くなります。
3. 最初から暗譜しない
譜読みの際は音を覚えようとはせず、曲の全体像や雰囲気を把握することに努め、何度も楽譜を見ながら練習を繰り返しましょう。繰り返すうちに音の流れが自然に頭と耳に定着するため、そのあとに暗譜をするほうが効率的です。
4. セクションに区切って練習する
譜読みは1曲通して練習するのではなく、8小節や16小節程度のセクションに区切って練習しましょう。短く区切って練習することで、正確な演奏を効率的に身につけることができます。
また、演奏を始める前に「どこまで」という区切りを持つことで、集中して譜読みに取り組めるようになるのもおすすめのポイントです。セクションごとの譜読みを一通りおこなった後に、1曲を通して弾く練習に入りましょう。
譜読みが苦手な人におすすめの練習方法
最後に、譜読みが苦手な人におすすめの練習方法を4つご紹介します。
- 楽曲を聞いてみる
- 五線譜を覚える
- 拍子やリズムを覚える
- 簡単な譜面から取り組む
なかなか譜読みが上手くいかないという人は、ぜひ試してみてください。
楽曲を聞いてみる
譜読みをしても頭の中で曲のイメージができあがらない場合は、演奏している曲の音源を聞いてみましょう。
正しい音の全体像を頭で思い浮かべながら演奏すると、譜読みが非常にやりやすくなります。
五線譜を覚える
楽譜を見ても音と鍵盤の場所がすぐにわからない場合は、五線譜の音を覚えましょう。
- 五線の間の音:「ファ・ラ・ド・ミ」と並んでいる
- 五線の上の音:「ミ・ソ・シ・レ・ファ」と並んでいる
このように、楽譜を見て瞬発的にどの音でどの鍵盤を押さえればよいか理解できるようにトレーニングしましょう。
拍子やリズムを覚える
音符が読めても、リズムがわからないと正しい演奏ができません。まずは拍子記号を見て、1小節に何分音符がいくつ入るのか理解できるようにしましょう。
- 4分の4拍子:1小節に4分音符が4つ
- 4分の3拍子:1小節に4分音符が3つ
- 8分の6拍子:1小節に8分音符が6つ
次に、拍子に合わせてリズム(音符の長さ)を取れるようにしましょう。リズムは声に出して読み上げるとよいでしょう。
- 4分音符:タン
- 8分音符:タ
- 16分音符:チ
拍子を取りながらリズムを口に出すことで、曲全体のイメージがわかるようになります。
簡単な譜面から取り組む
最後に、譜読みは何度も繰り返すことで上達します。まずは簡単に弾けるレベルの楽譜をたくさん練習し、譜読みの力を鍛えましょう。
初見でもある程度スムーズに演奏ができる状態になったら、徐々に楽譜のレベルを上げていくのがおすすめです。
最初から難しい楽譜で練習を始めてしまうと、なかなか譜読みを進められず挫折の原因になるので注意しましょう。
譜読みの上達はピアノの上達に直結する!
譜読みは、曲を表情豊かに演奏をするための基礎を作る作業であり、曲の全体像を把握するうえで一番重要な工程です。譜読みがスムーズにでき、かつ、楽譜からさまざまな表現を読み取れるようになることで、ピアノの演奏力は上達していきます。
譜読みがどうしても苦手な場合は、読譜のトレーニングや指の動かし方などの基礎を見直してみましょう。また、さまざまな曲の譜読みをすることで、譜読みが早くできるようになっていきます。
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