ピアノの和音の種類やきれいに弾くための3つのコツ

ピアノ上達方法・テクニック

2021/06/08

投稿者: 磯崎 由佳

ピアノの和音の種類やきれいに弾くための3つのコツ

ピアノを演奏するうえで大切なのが、和音です。

和音をいかにきれいに弾けるかによって、演奏できる曲の幅が大きく左右されるといっても過言ではありません。

一度に複数の和音を覚えて弾けるようになるのは難しいので、課題としている曲に合わせて少しずつ弾けるようになっていくとよいでしょう。

今回は、ピアノの和音の種類やきれいに弾くための3つのコツをご紹介します。

ピアノの和音の種類

和音とは、2つ以上の音を組み合わせたものです。

高さが違う複数の音が重なりあうことで、新たな響きを生み出します。

和音にはさまざまな種類がありますが、今回は三和音について細かくご紹介します。

三和音とは、3つの音を組み合わせた和音です。

和音の基礎となる1つの根音に対し、3度ずつずらして2つの音を足すことで、合計3つの音から構成されます。

さらに3度ずらして音を足すことで、四和音と呼ばれるものに変化します。

三和音について分解して捉えるとき、根音(第一音)に対して3度ずらした音を第三音、合計5度ずらされた音を第五音といいます。

1.長三和音

根音と第三音がお互いに全音の関係にあり、第三音と第五音の間に半音が1つある関係にある和音を、長三和音といいます。

代表的なものとして、ド、すなわちCを主軸とした西洋音楽における代表的なハ長調の主和音が挙げられます。

ハ長調の主和音は、ド・ミ・ソによって成り立っています。

ピアノの鍵盤を実際に見ながら構成を確認してみましょう。

根音であるドに対し、第三音であるミは、黒鍵を挟んですべて全音で3度ずらした関係になっています。

一方で第三音であるミに対し、第五音のソは、黒鍵が間に1つなく半音がある関係になっています。

以上の関係性は長三和音の決まりに則っているため、ハ長調の主和音が該当するといえるわけです。

2.短三和音

長三和音とは逆に、根音と第三音の間に半音が1つあり、第三音と第五音がお互いに全音の関係にあるような和音を、短三和音といいます。

ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」は、短三和音であるハ短調が用いられた極めて有名なクラシック音楽の1つです。

ハ短調の主和音は、ド・ミ♭・ソによって成り立っています。

ピアノで実際に確認してみると、根音のドに対して黒鍵となるミ♭は半音が1つある関係になっています。

一方で、第三音となるミ♭に対するソはすべて全音からなる関係になります。

3.減三和音

鍵盤と楽譜

根音と第三音、第三音と第五音のそれぞれの関係において、どちらにも半音が1つある関係同士の組み合わせを減三和音といいます。

長三和音と同様、ハ長調を用いて確認してみましょう。

ハ長調における7番目の和音は、シ・レ・ファによって構成されています。

鍵盤を実際に見てみると、根音と第三音であるシとレの間には、黒鍵が1つないため3度ずれていることがわかります。

同様に、第三音と第五音であるレとファの間にも、黒鍵が1つなく、3度ずれています。

このように、どちらも半音のある3度ずつずれた関係性のみで構成されているのが減三和音です。

4.増三和音

減三和音とは逆に、根音と第三音、第三音と第五音の関係がそれぞれ全音で成り立っている和音が、増三和音です。

増三和音の構成は、短三和音と同様にハ短調で確認してみましょう。

ハ短調における3番目の和音は、ミ♭・ソ・シで構成されています。

鍵盤を見てみると、根音と第三音であるミ♭とソは、黒・白・白・黒・白となっており、お互いの関係が全音であることがわかります。

加えて、ソとシの関係性も、白・黒・白・黒・白となっているため、こちらも全音からなる3度の関係になっています。

ピアノの和音の覚え方

ピアノの和音を覚える方法は、大きく分類して2つあります。

1つ目は、和音に合わせて指の位置を徹底的に暗記する方法です。

しかし、そのためには膨大な数の和音を暗記しなければなりません。

ルート音の数は種類あり、それぞれのよく使用される和音がもし10種類ずつあるとするならば、全部で120種類ものパターンを覚えなければならなくなります。

もう1つの方法が、和音の仕組みを理解して覚える方法です。

和音の仕組みを理解しておけば、すべてのパターンを覚えなくても必要なシーンで即座に対応できます。

こちらの方法の場合は、よく使われる和音の音程を覚えるだけでよいので、もし10種類あるとすればその10種類だけを覚えれば十分です。

試しに、長三和音の12種類を確認してみてください。

この12種類の音は、押さえる場所は違えど音程はすべて同じで、根音とそこから4つ上げた第三音、さらにそこから3つ上げた第五音で成り立っています。

このことさえわかっていれば、根音を1つずらしたところで、次に押さえなければならない第三音と第五音の場所も自ずとわかるはずです。

ピアノの和音を弾く3つのコツ

和音

和音がどういった構成で成り立っているかがわかったところで、実際に弾いてみましょう。

コツは鍵盤に対する手の角度や指の使い方にあります。

1.鍵盤に対して手のひらを平行にする

鍵盤に3本の指をまっすぐに下ろしていくためには、手のひらを平行にしておくことが大切です。

人間の手は、握るような動作をするために発達しています。

そのため、意識して取り組まないと小指だけがやや手の内側に向かって傾くといった状態になりがちです。

手のひらが平行でないと負担が大きい動作になってしまい、痛めてしまう恐れがあります。

2.指は軽く丸める

手のひらはしっかりと平行にする必要がありますが、指自体はある程度力を抜いたフラットな状態が理想的です。

腕の力を抜いて下ろしてみてください。

力が抜けていると、指が自然と手のひらに向かって軽く丸まっています。

ですが、本当に力が入っていないと鍵盤は押せませんので、最低限の力だけで弾くように意識しましょう。

3.指だけでなく手で弾く

ピアノの鍵盤は、指で押さえて弾くものなので、どうしてもピアノは指で弾くものだと思われがちです。

しかし、実際にそれだけで演奏を続けていると、やがては故障の原因になってしまいます。

指を動かしている筋肉は、指のなかにはありません。

前腕や手のひらに備わっています。

指を効果的に動かすためには、指だけでなく動かしている筋肉そのものを意識することが大切です。

指先だけに力を入れるのではなく、少し指を丸めて押さえるべき鍵盤の上に置き、手のひらをそのまま下ろして音を鳴らすといったイメージです。

和音はピアノで演奏するために欠かせないもの

和音は複数の音を組み合わせることで、美しい響きを生み出すものです。

和音を巧みに扱うことで、美しいメロディーが完成します。

しかし、和音は複数の音を同時に鳴らす都合上、指の使い方が非常に重要となります。

また、押さえる位置についても注意しなければなりません。

これまで多くの人たちがそうしてきたように、覚え方や演奏のコツを押さえることで、和音は十分に極められます。

ぜひ、コツを押さえてピアノを弾くために大切な技術を習得してみてください。

なかなかコツが掴めない、上達しないという場合は、ピアノ教室やミュージックスクールに通う方法があります。

ピアノのプロが丁寧に指導してくれるので、和音でつまずいてしまった方もきれいに弾けるようになるでしょう。

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千葉県鴨川市出身、東邦音楽大学音楽科を卒業後、2008年にBeeミュージックスクールにアルバイトとして入社。

幼少期からエレクトーンを習い、作曲、アレンジなどにも取り組み、中学になった頃より音楽講師を目指し、本格的に音楽の勉強に取り組む。大学在学中は中学高校の教員免許を取得。声楽を専攻しながら、伴奏やエレクトーンにてコード理論を学ぶ。

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