ピアノとキーボードの違いや選び方を分かりやすく解説

ピアノ初心者入門

2021/06/08

投稿者: 磯崎 由佳

ピアノとキーボードの違いや選び方を分かりやすく解説

ピアノやシンセサイザー、電子ピアノなど鍵盤楽器には多くの種類があり、特徴や価格もさまざまです。

なかでも、もっとも馴染みがあるのはピアノですが、自宅に置くとなれば場所も費用もそれなりにかかります。

それに対してシンセサイザーなどのキーボードや電子ピアノならコンパクトなサイズで音量調節ができるものなど、選択の幅が広いので比較的購入しやすい点が魅力です。

どちらを選択するかは目的や費用面、置き場所などいろいろなことを考慮しながら考える必要があります。

そこで本記事では、ピアノやキーボードの違い、選び方などを分かりやすくまとめてみました。

ピアノとキーボードのどちらが自分に向いているか分からないという人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

鍵盤楽器の特徴を知っておこう

鍵盤楽器とひとことでいっても、ピアノや電子ピアノ、シンセサイザーなどいろいろな種類があります。

自分の目的に合う楽器を探すには、まずどの種類がいいのか決めることが重要です。

ここでは、主な鍵盤楽器の種類と特徴について分かりやすく解説しています。

1.音域が非常に広いアコースティックピアノ

アコースティックピアノとは内部に張られた弦をハンマーで叩いて音を出す打弦楽器の一種です。

基本は88鍵盤からなり、音域が非常に広いため、演奏目的以外にも、音楽教育や作曲など幅広い目的で利用されます。

グランドピアノとアップライトピアノに分類され、一般の家庭では場所をとらないアップライトピアノが人気です。

2.調律が不要で扱いやすい電子ピアノ

電子ピアノは音源部分が電子回路で作られた電子楽器です。

ピアノの音色や構造、打鍵感を再現しているので、ピアノ演奏や表現の再現ができます。

コンパクトでボリューム調節ができ、調律がいらないことなど、家庭でも使いやすいメリットが多いことからピアノの代わりとして人気がある鍵盤楽器です。

3.1台で楽曲制作を完結できるシンセサイザー

シンセサイザーは電子回路を使ってさまざまな音を合成して作り出す電子楽器です。

自分で音をつくったり、加工したりが自在にできるので、1台で楽曲制作を完結できるメリットがあります。

アンプやスピーカーが必要になりますが、本体はコンパクトなサイズも多く、音量調節もできるので自宅でも使いやすい鍵盤楽器です。

4.バンドやライブなどで使用するのに適しているステージピアノ

ステージピアノは電子ピアノをステージ用に特化させた電子楽器です。

明確な定義はありませんが、ピアノ音質やタッチにこだわった、可搬性の高いものも多く販売されています。

実際のピアノではできない調律設定や打弦ポイントなど、細かい調整ができるモデルもあるので、持ち運んで本格的なピアノ演奏をしたいという人におすすめです。

5.初心者でも扱いやすいポータブルキーボード

ポータブルキーボードは、シンプル機能で、子供から大人まで楽しめる家庭用に設計された電子楽器です。

光る鍵盤を搭載したレッスン機能や高音質なピアノタッチタイプなど、幅広いバリエーションがあります。

本格的な演奏向きではありませんが、コンパクトで軽く、比較的価格もお手頃なことから、はじめて鍵盤楽器に挑戦するという人におすすめです。

キーボードと電子ピアノの6つの違い

ピアノの鍵盤

キーボードとは鍵盤を備えた楽器の総称ですが、一般的にシンセサイザーやポータブルキーボードなどの電子楽器を指します。

電子ピアノもキーボードの一種ではありますが、本格的なピアノ演奏ができることから別の種類と見られることが多いようです。

ここでは、電子ピアノとキーボードはどんな部分が違うのか詳しく解説します。

1.鍵盤の重みが違う

アコースティックピアノは鍵盤に重みがありますが、キーボードは軽いタッチのものが一般的です。

一方、電子ピアノは、鍵盤におもりをつけたり、木製にしたりすることでアコースティックピアノと近い重みのあるタッチを再現しています。

2.音色が違う

キーボードはさまざまな音を出せるものですが、電子ピアノのほうがアコースティックピアノにより近い音色を出せます。

電子ピアノはアコースティックピアノ独特の響きや音色を細かく録音して作られているので、使用目的がピアノの練習用ならキーボードより電子ピアノのほうが向いているといえるでしょう。

3.表現力が違う

もともとピアノの楽譜には表現を指示する用語や記号がたくさん書かれていて、表現力の有無は演奏の出来に大きく関わってきます。

音の強弱ややわらかくなど微妙な表現も多いので、音の大きさが変えられないモデルもあるキーボードにはあまり向きません。

電子ピアノでも表現力についてはモデルによっても差があるので、細部にまでこだわった表現をしたいのなら、ちょっとよいお値段の電子ピアノを購入する必要があるでしょう。

4.ペダルがついていない

ペダルは音の伸びをコントロールする機能があり、踏み加減によって微秒な表現ができます。

キーボードにもオプションでペダル付きはありますが、基本的にはオンとオフができるだけで、微妙な音の伸びをコントロールできないタイプがほとんどです。

電子ピアノのほうは、ほとんどが音の伸びをコントロールできるハーフペダルに対応できるので、よりピアノらしい表現ができます。

5.同時発音数が違う

同時発音数とは同時にだせる音の数のことを指します。

アコースティックピアノは音を自由に重ねていくことができますが、キーボードと電子ピアノは決められた同時発音数を超えた音は出すことができません。

たとえば、同時発音数が16音のモデルの場合、17音目を出したとき、最初の音は消えてしまいます。

ペダルを使用する曲は音を重ねて表現するので、少ない同時発音数のモデルだと、全ての音を弾くことはできない場合もあるのです。

6.鍵盤数が違う

電子ピアノの鍵盤数は、アコースティックピアノと同じ88鍵です。

キーボードの鍵盤数は88鍵、76鍵、61鍵など機種によって違いがあります。

基本的にはどんな曲にも対応できる88鍵がおすすめですが、ほとんどの曲は76鍵あれば対応可能です。

ただ、クラッシックなら88鍵は必要なので、鍵盤数はどんな曲を演奏したいのかよって選ぶ必要があります。

鍵盤楽器は目的と予算を決めてから選ぼう

電子ピアノ

アコースティックピアノや電子ピアノ、シンセサイザーなど鍵盤楽器にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴や価格に大きな違いがあります。

どの鍵盤楽器が良いのかは、目的や予算、使う場所などを考慮しながら選ぶべきです。

一般的にキーボードと呼ばれている電子楽器は、本格的なピアノの練習には向きませんが、いろいろなサウンドを操れるので、幅広い使い方ができます。

また、キーボードはアコースティックピアノや電子ピアノに比べて、比較的お手頃価格のものが多く、音量の調節もできて、コンパクトなことから、持ち運んで使うことを想定している人にも最適です。

電子ピアノは音色や使い勝手がアコースティックピアノに似ていることから、本格的なピアノの練習を自宅でしたい人に向いています。

自分にピッタリの鍵盤楽器で楽しく演奏しよう

キーボードとピアノには音色や表現力、鍵盤の重みなどの違いがあります。

どの鍵盤楽器にもメリット・デメリットがあるので、自分の目的や予算に合わせて選ぶようにしましょう。

基本的に「持ち運んで使いたい」「ポップスを演奏したい」という人はキーボード、音色や鍵盤の重みなど「本物のピアノに近い状態で練習がしたい」という人は電子ピアノがおすすめです。

電子ピアノとキーボードは、いずれも音量調節ができるので、ぜひ自宅で楽しく演奏してみましょう。

「ピアノ・キーボード技術を総合的にマスターしたい」方は、Beeミュージックスクールの無料体験レッスンへ

   
千葉県鴨川市出身、東邦音楽大学音楽科を卒業後、2008年にBeeミュージックスクールにアルバイトとして入社。

幼少期からエレクトーンを習い、作曲、アレンジなどにも取り組み、中学になった頃より音楽講師を目指し、本格的に音楽の勉強に取り組む。大学在学中は中学高校の教員免許を取得。声楽を専攻しながら、伴奏やエレクトーンにてコード理論を学ぶ。

一覧に戻る

45分間の無料体験レッスンに申し込む