おもなピアノコンクールのレベルをまとめて紹介します【日本・海外】
ピアノ初心者入門
2021/06/08
ピティナ・ピアノコンペティションや全日本学生音楽コンクール、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールなど、耳にされた方も少なくないのではないでしょうか。
こちらの記事では、入賞可能なレベルや出場対象者についても含め、国内・海外のおもなピアノコンクールを整理して紹介します。
レベルは5段階評価とし、最高を「5」で表しています。
おもな国内ピアノコンクールのレベルと対象になる人
まず日本国内で開催されているメジャーなピアノコンクールから紹介しましょう。
入賞できるレベルと対象者に注目して、日々研鑽を積むモチベーションとするのも有効です。
1. 全日本学生音楽コンクール
戦後間もない1947年から毎日新聞社が主催し「学コン」の愛称で70年以上の伝統を誇る学生向け音楽コンクールです。
ピアノ部門のみならず、バイオリン部門や声楽部門など計5部門があり、この名門コンクールで入賞することは大いなる実力証明です。
レベル:5+
対象者:小学校4年生~高校3年生(ピアノ部門の場合)/国籍と居住地は不問
公式サイト:https://gaccon.mainichi-classic.net/
2. 日本音楽コンクール
楽壇最高の登竜門「音コン」として知られる名門コンクールであり、戦前1932年から90年近くにわたり開催されています。
国内最長の歴史を有する音楽コンクールで、現在は毎日新聞社とNHKの共同主催です。
ピアノ部門やバイオリン部門のほか、声楽部門や作曲部門など6部門を擁します。
レベル:5+
対象者:満17歳~満29歳(ピアノ部門の場合)/国籍と居住地は不問
公式サイト:https://oncon.mainichi-classic.net/
3. ピティナ・ピアノコンペティション
一般社団法人である全日本ピアノ指導者協会(PTNA:ピティナ)が主催し、文部科学省と東京都が後援となる、近年レベルの向上が著しいピアノコンクールです。
47都道府県200ヵ所以上で予選開催されており、全国から広範なレベルの参加者が毎回3万名以上集います。
レベル:3+
対象者:未就学児~成人(年齢制限なし)/国籍と居住地は不問
公式サイト:https://compe.piano.or.jp/
4. 全日本ピアノコンクール
一般社団法人の日本音楽協会が主催する、日本でも最大規模のオンラインでのピアノコンクールです。
公平性と透明性の担保に注力しており、動画オンライン審査とホール対面審査とを効果的に組み合わせています。
審査員の各先生方より、紙面アドバイスをもらえることも魅力です。
レベル:3
対象者:小学校1年生~成人(年齢制限なし)/国籍と居住地は不問
公式サイト:https://pf.classicmusic.tokyo/
5. 浜松国際ピアノコンクール
アジア系を中心に国際色豊かなピアノコンクールとなっており、国際音楽コンクール世界連盟(WFIMC)にも加盟しています。
1位・2位入賞者は、後述の「フレデリック・ショパン国際ピアノコンクール」の本審査に直接参加が認められるほどハイレベルです。
主催は浜松市と浜松市文化振興財団、後援は外務省や文化庁などとなっています。
レベル:5+
対象者:30歳以下/国籍と居住地は不問
公式サイト:https://www.hipic.jp/
おもな海外ピアノコンクールのレベルと対象者
次にヨーロッパ諸国や米国など、海外で開催されるメジャーなピアノコンクールの紹介です。
言わずもがな入賞可能レベルは非常に高く、世界中から俊英が集ってきます。
近年は東アジア出身の出場者が増加傾向です。
1. フレデリック・ショパン国際ピアノコンクール
1927年に初回が開催され、ピアノコンクールでは世界最高峰と見なされています。
世界三大音楽コンクールの一角も占めており、開催地はポーランドの首都ワルシャワです。
出場者は極めてハイレベルで、過去の入賞者には中村紘子や内田光子、マウリツィオ・ポリーニ、マルタ・アルゲリッチ、スタニスラフ・ブーニンなど、錚々たる超一流アーティストが名を連ねます。
レベル:5+++
対象者:16歳~30歳/国籍と居住地は不問
公式サイト:https://chopin2020.pl/en
2. チャイコフスキー国際コンクール
ロシアの首都モスクワで1958年から開催されており、世界三大音楽コンクールの一つです。
当初からのピアノ部門・バイオリン部門のほか、チェロ部門や金管楽器部門、木管楽器部門、声楽部門なども擁しています。
歴代入賞者を眺めるとヴァン・クライバーンやウラディミール・アシュケナージ、ボリス・ベレゾフスキー、上原彩子などがおり、並外れた技量の持ち主ばかりです。
レベル:5+++
対象者:16歳~31歳/国籍と居住地は不問
公式サイト:https://tchaikovskycompetition.com/en/
3. エリザベート王妃国際音楽コンクール
改称前のイザイ国際コンクールは戦前1937年にまで遡り、現在は世界三大音楽コンクールの一角を占めます。
ピアノ部門以外にバイオリン部門とチェロ部門、声楽部門を有し、ベルギーの首都ブリュッセルでの開催です。
過去の入賞者としてウラディミール・アシュケナージやニコライ・ペトロフ、内田光子、仲道郁代などが挙げられ、世界の楽壇をリードするレベルの逸材を輩出しています。
レベル:5+++
対象:18歳~29歳/国籍と居住地は不問
公式サイト:https://queenelisabethcompetition.be/en/home/
4. ジュネーブ国際音楽コンクール
スイス・ジュネーブで1939年に初回開催されて以来、ほぼ毎年開かれる名門音楽コンクールです。
低年齢の入賞者が目立つことと、ピアノやバイオリンの奏者向けだけでなく、さまざまな楽器の奏者や指揮者、作曲者向けに多くの部門を擁することが特筆されます。
歴代入賞者にはゲオルク・ショルティやフリードリヒ・グルダ、マルタ・アルゲリッチ、マウリツィオ・ポリーニなどがおり、まさに重鎮の面々です。
レベル:5+
対象者:28歳以下/国籍と居住地は不問
公式サイト:https://www.concoursgeneve.ch/
5. ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール
チャイコフスキー国際コンクールの初回優勝に輝く、ヴァン・クライバーンを記念して始められました。
米国フォートワース(テキサス州)にて開催され、同国トップレベルのピアノコンクールとなっています。
近年は辻井伸行の1位入賞により、日本での認知度も高まりました。
1位・2位入賞者には高額賞金のほか、世界各地へのコンサートツアー実施やCD販売の権利が与えられます。
レベル:5++
対象者:18歳~31歳/国籍と居住地は不問
公式サイト:https://cliburn.org/
自分に合うレベルのピアノコンクールの選び方
ここまでは国内と海外のメジャーなピアノコンクールのなかでも、ごく一部のみを紹介してきました。
大多数の方にとって、今すぐに出場を検討する対象とはならないかも知れません。
ここからはご自身やお子さんにマッチしたレベルのコンクールの選び方について、具体的に説明していきます。
1. レベルに合ったピアノコンクール出場はメリット大
日本はピアノコンクール大国であり、規模の大小や有名無名さまざまで200以上が存在するともいわれます。
実際にご自身やお子さんがピアノコンクール出場を目指す場合、現時点でのレベルに見合うコンクールを選ぶとメリットが大きいものです。
これは仮に入賞できなかったとしても、実力を客観的に見極められ、ピアノを修練するモチベーションの維持・向上に大いに役立つからに他なりません。
加えて審査員の先生方から、今後に向けた有益なアドバイスを得やすいことも確かです。
2. レベルに合わないコンクールではモチベーションもダウン
逆に自身のレベルとアンマッチのピアノコンクールに無理に出場しようとすれば、いたずらに自己評価を下げてしまったり、日々の修練へのモチベーションを喪失してしまったりする可能性があります。
また、審査員の先生方から効果的なアドバイスをもらえなかったりといったデメリットが予想できます。
あるいは自身のレベルを高く見誤って、結果的に慢心を招いて伸び悩むこともあり得るでしょう。
いずれにしても、お金と時間をかけてまで、自身に合わないレベルのコンクールに出場する意味は見出し難いものです。
3. 入賞可能レベル以外にも目を向けてコンクールを選択
今の自身のレベルにマッチするピアノコンクールを選ぶためには、先に触れた入賞可能レベルのみを意識するのではなく、その他の要素もチェックする必要があります。
具体的には課題曲の難易度や暗譜の必要性、演奏曲数、出場者・入賞者のレベル、審査員の先生方のバックグラウンド、入賞者への特典(賞金・ピアノの贈与、学費の減免、特別レッスンの実施、留学の支援ほか)などの確認は外せません。
あらかじめ、このあたりを押さえておけば、レベル選択を大きく誤ることはないでしょう。
さまざまな要素を勘案したうえで、かつ信頼できる指導者の方からアドバイスも得ながら目指すピアノコンクールを選ぶようにするのです。
そうすればコンクール出場が、今後の修練にも大きな助けとなってくれます。
ピアノコンクールのレベルを知ってモチベーションもアップ
日本と海外のメジャーなピアノコンクールについて、おもに入賞可能レベルと対象者という観点から紹介しました。
合わせてご自身やお子さんの現状にマッチしたレベルのコンクールを選ぶ方法についても、具体的に解説しています。
興味のあるピアノコンクールがあるなら、音楽教室に通ってみてはいかがでしょうか。
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