ピアノは何歳から練習する?最適なタイミングについて解説

ピアノ初心者入門

2021/06/08

投稿者: 磯崎 由佳

ピアノは何歳から練習する?最適なタイミングについて解説

ピアノをはじめとする楽器は、なるべく幼少期から始めたほうがメリットが大きいです。

とくに6歳未満であれば、まだ相対音感が身についていないため、絶対音感を習得できる可能性が大幅に上がります。

ピアノの音は、脳によい影響を与えるといわれています。

そのほか、集中力や努力することによって得られる達成感など、さまざまな感性を身につけることができます。

こちらの記事では、ピアノは何歳から練習を始めるべきなのか、最適なタイミングについて解説します。

ピアノは何歳から始めるのがベスト?

楽器を演奏するうえで大きな武器となるのが、絶対音感です。

絶対音感とは、その音を一度聞いただけで高低などを正確に聞き分けられる能力のことをいいます。

音感にはほかに、相対音感があります。

相対音感は、基準となる音ともう1つの音を聴いて、どれくらい高低が離れているかを聞き分けられる能力です。

人は生きていくなかで、さまざまな音と出会います。

相対音感は、そういった過程で育まれていきます。

相対音感を持っているからこそ、メロディーを美しいと感じられるのです。

一方で、絶対音感は幼少期のころでなければ習得は難しいとされています。

しかし、6歳未満に適切な訓練を行えば、ほぼ確実に習得できるといわれています。

では、若ければ若いほどピアノを始めるのに最適なのかといえば、そうとも限りません。

子どもがピアノを練習する際に壁となるのが、ピアノの大きさです。

まだ幼い子どもにとって、ピアノは非常に大きいものに感じられるでしょう。

また、そもそも体幹が育っていなければ椅子に座れませんし、鍵盤を押さえるための指の力も重要となります。

骨格が安定しないころからピアノが弾けるように練習させるのは、体への負担が大きすぎるといえます。

しかし、自分の指を使ってピアノを弾くことは、発達途中の子どもの脳に確実によい影響を与える点も間違いはありません。

大切なのは、子ども一人ひとりに合わせて、練習を始めるのにベストなタイミングを見極めてあげることです。

子どもによっては、初めから熱心に集中して練習する子もいれば、まったく興味を見せない子もいるでしょう。

無理強いするのではなく、本当に子どものためになるであろうタイミングでベストな道を導いてあげてください。

ピアノを子どもに早くから始めさせる5つのメリット

ピアノを弾く子供

子どもにピアノの練習を早い段階から始めさせることで、大きな5つのメリットが得られます。

これらは、子どもの今後の人生において助けになるものばかりです。

ぜひ、参考にしてください。

1. 子どもの記憶力が鍛えられる

スムーズにピアノを演奏するためには、コードや楽譜をしっかり覚える必要があります。

とくに、楽譜を覚える暗譜は非常に重要です。

楽譜をめくりながら演奏するのは、実際のところ煩わしく感じてしまう場合が多いためです。

そのため、ピアノの発表会などでは、暗譜をして挑戦しているケースが多く見られます。

記憶力を身につけるためには、指先による細かな動きが非常に効果的です。

ピアノの演奏は、両手の指を巧みに扱うばかりでなく、聴覚も存分に使用します。

すなわち、ピアノに触れているときは、脳が覚えるために非常に活発に働いているといえます。

2. 外国語が身に付きやすくなる

ピアノで身についた記憶力に加えて、音を聞き分ける能力は音楽以外の場面でも活躍します。

それは、外国語の練習です。

外国語を習得するためには、脳でただ単語を覚えるだけでなく、実際に発せられた言語を耳で聴いて自分の声で再現する必要があります。

もし、今後の人生でピアニストなど音楽に携わる職業に就かなかったとしても、幼少期に身につけた音楽の技術はある程度残り、外国語の習得に確実に役立ちます。

年齢を重ねてから時間とお金をかけて英会話などに通うよりも遥かに効果的です。

3. 努力を地道に積み重ねていく忍耐力が身につく

ピアノを演奏する能力は、今日明日で簡単に成果が出るほど簡単なものではありません。

日々の練習の積み重ねによってようやく習得できているものです。

いつの日か成果が出ると信じて努力を積み重ねていくためには、相応の忍耐力が必要となります。

発表会などを目指して本格的にピアノの技術を身につけたいのであれば、ただ月に何度かある習い事に通っているだけではいけません。

自宅でも地道に自習を繰り返し、習い事の場ではその成果を見せるくらいの姿勢が大切です。

とくに子どものうちは、同じことを地道に積み重ねていくのは耐えられないと感じてしまう場合が多いでしょう。

余程ピアノに心を惹かれている子どもでもない限り、大人がしっかりとサポートしてあげる必要があります。

4. 熱心に打ち込む集中力が習得できる

演奏会

ピアノは、両手の指を細かく使いながら脳と耳を使いながら、さらには全身で音楽を感じて演奏します。

多くの神経を研ぎ澄ませながら熱心にピアノに打ち込むことで、高い集中力が習得できるでしょう。

集中力は、音楽の分野だけでなく、人生におけるさまざまな場面で必要とされます。

もし、発表会など人前で演奏を披露する機会を経験したのであれば、大事な場面でより高い集中力を発揮できる勝負に強い人間に育つでしょう。

集中力の高さは、そのままメンタルの強さにもつながります。

5. 豊かな人生のための生きる力が養われる

知能の高さを表したものが知能指数、一般的にはIQと呼ばれるものです。

これに加えて、人がたくましく生きていくために必要な能力を数値にしたものを人間性指数、HQといいます。

HQの定義はさまざまですが、夢や目標など目指したいものに対して社会のなかで協調的に生きていくための能力だとされています。

すなわち、一般知能に加えて、注意力や問題解決能力、自己制御、ワーキングメモリなど、さまざまな要素が含まれています。

人間性脳科学研究所所長の澤口俊之先生によると、学習塾やスポーツ、英会話、習字などさまざまな習い事があるなかで、ピアノ教室に通っていた子どものHQはとくに高いそうです。

両手の指を細かく動かしながら、譜面をあらかじめ覚えて追いながら弾いていくというピアノを演奏するうえで必要な能力が、HQを高める理由のひとつだとされています。[注1]

[注1]PTNA:今こそ音楽を!第3章 脳科学観点から~澤口俊之先生インタビュー(1)

子どもにとってベストのタイミングでピアノの練習を始めよう

ピアノの練習は、絶対音感を習得できる確率も高いため、幼少期のころから始めたほうがよいとされています。

しかし、まだ骨格が安定しない幼少期のころから大きな鍵盤と向き合おうとするには、肉体への負担が大きすぎるのも事実です。

子どもによっては、強いストレスを感じる原因になるかもしれません。

幼少期のころからピアノを始めると大きなメリットが得られますが、一番大切なのは本当に子どものためになるように大人が導いてあげることです。

無理をさせるのではなく、今度の人生と子どもの無限の才能を考えて最適な道を選びましょう。

もし子どもがピアノに興味を示している場合は、ミュージックスクールなどの教室に通わせてあげるのがおすすめです。

指導のプロが優しくレッスンを行うので、楽しく続けられるでしょう。

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千葉県鴨川市出身、東邦音楽大学音楽科を卒業後、2008年にBeeミュージックスクールにアルバイトとして入社。

幼少期からエレクトーンを習い、作曲、アレンジなどにも取り組み、中学になった頃より音楽講師を目指し、本格的に音楽の勉強に取り組む。大学在学中は中学高校の教員免許を取得。声楽を専攻しながら、伴奏やエレクトーンにてコード理論を学ぶ。

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