アナウンサーになるには?選考プロセスと必要なスキルを徹底解説

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2025/09/24

投稿者: Beevocalschool

アナウンサーになるには?選考プロセスと必要なスキルを徹底解説

アナウンサーになるにはいくつかの方法があります。大学卒業後に放送局に入社するだけでなく、タレントからアナウンサーに転身するといった選択肢もあります

アナウンサーになる夢を叶えたいなら、選考プロセスや必要なスキルをしっかりと把握し、対策をおこないましょう。

本記事では、アナウンサーになるための具体的なステップから、実際の業務内容、そして求められる能力や資質まで、幅広く解説します。選考プロセスの実態や、アナウンサーの年収事情についても詳しく触れていきます。

この記事を読むことで、アナウンサーへの道筋がはっきりと見えてくるはずです。アナウンサーになるという目標に向かって、自信を持って歩み始めましょう。

アナウンサーになるにはどうしたらいい?

アナウンサーになる道は1つではありません。大学卒業後に放送局に入社する従来型のルートが一般的ですが、近年ではタレントとして活動した後にアナウンサーに転身するケースもあります。

ほかにも、放送局に入社せず、フリーアナウンサーとして芸能事務所に所属し、番組毎の起用をしてもらう方法もあります。

アナウンサーになるための道のりは決して平坦ではありませんが、明確な目標と地道な努力があれば、夢の実現に近づけます。次節では、具体的なキャリアパスについて詳しく見ていきましょう。

大学を卒業後に放送局に入社する

アナウンサーを目指す方法としては、大学などの高等教育機関を卒業後、放送局の採用試験に挑戦することが一般的です。多くのキー局では、アナウンサーの採用において4年制大学の卒業が必須条件となっています。

ただし、大学の専攻に関しては特に条件はないのが主流です。有名大学の卒業生など学歴の高さが選考で有利に働くのは事実ですが、もっとも重要なのは、在学中から計画的にスキルを磨き、実践経験を積むことです

放送局の採用試験は非常に競争率が高いため、ほかの候補者との差別化を図ることが重要となります。たとえば、在学中から放送局やフリーアナウンサーを抱える芸能事務所が開講しているアナウンススクールに通っている学生は多くいます。そこで学んだ内容をより定着させるために、個人でボイストレーニングに通う学生もいるほどです。

一方で、アナウンサーは人気商売でもあります。放送局に入社する場合は特に、その局の看板を背負って立つことになりますので、選考は非常にシビアです。学生時代からSNSなどで、活動意欲の高さやクリーンさも見られると思っておいたほうがよいでしょう。

それに付随して、ルックスも重要視されている現実があります。見た目もそうですが、爽やかさや親近感のある雰囲気、美しい振る舞いなども日々研究し、在学中にミスター/ミスキャンパスに入賞することで選考を有利に進める学生もいます。

そのほか、在学中に何かしらの賞を獲っていたり、珍しい資格を持っていたり、インターハイに出場した経験を持っていたりする現役アナウンサーも少なくありません。自身の「ウリ」を持っているかどうかは、選考時に大事な要素になってきます

タレントからアナウンサーに転身する

近年では、タレントとして芸能界での活動経験を経て、アナウンサーに転身するケースも少なくありません。価値観の多様化に伴い、アナウンサーになるルートも広がりを見せています。

タレントからアナウンサーへの転身は、既存のファン層を新たな活動にも引き継げるというメリットがあります。しかし同時に、タレントとしてのイメージを払拭し、真摯なアナウンサーとして視聴者の信頼を得る努力も必要です。

どちらのルートを選択するにせよ、アナウンサーになるには継続的な努力と自己研鑽が欠かせません。自分の適性や目標に合わせて最適なルートを選び、着実に準備を進めていくことが、アナウンサーとしての成功につながるのです。

大学在学中に取り組むべき活動は?

大学在学中は、アナウンサーになるための基礎力を養う絶好の機会です。この時期に適切な活動に取り組むことで、将来のキャリアに大きな影響を与えます。

特に、実践的なスキルを磨くことと、幅広い知識を身につけることは、将来のアナウンサーとしての活躍につながります。

それでは、具体的に2つの活動について詳しく見ていきましょう。

アナウンススクールに通う

アナウンススクールは、アナウンサーになるための専門的なスキルを体系的に学べる場所です。大学在学中にアナウンススクールに通うことで、アナウンスの基礎を固めることができます。実際の原稿読みや、撮影された映像データの提供もあり、採用試験対策として非常に効果的です。

アナウンススクールには週末限定のクラスや、短期集中型のコースも用意されているため、多忙な学生や地方在住者でも参加しやすくなっています。ただし、アナウンススクールは有料であり、コースによって金額が異なります。しっかりと確認し、自分に適した予算とコースがあるスクールを選択しましょう。

また、アナウンススクールですべて学べると思っていると落とし穴があります。どのアナウンススクールでも、「大きな声が出せる」「響く声を出せる」といったことは大前提だからです。

現時点で発声の仕方が上手くいかない人が通っても、自主練習や個人のボイストレーニングで補わない限りは、確実に置いてけぼりを食らいます。アナウンススクールのレッスンはニュース原稿読みが主体になるので、それ以外に不安がある人は別で補うことを検討しましょう。

学生キャスターを経験する

一部の放送局では、学生キャスター制度を設けています。この制度を活用すれば、BSチャンネルのニュース番組などで、実際に短いニュースを読む機会が得られます。

実際の放送現場を体験することで、プロのアナウンサーや制作スタッフから直接学ぶことも多いでしょう。

さらに、学生キャスターの経験は、アナウンサーとしての適性を確認するよい機会にもなります。自分の強みや弱点を客観的に把握し、今後の成長につなげましょう。

アナウンサー志望者に役立つ資格

アナウンサーになるために絶対必要な資格はありません。しかし、特定の資格や経歴を持っていると、選考過程で有利に働く可能性があります。特に、エントリーシートの段階でほかの候補者と差をつけるのに役立つでしょう。

以下に、アナウンサー志望者にとって有益な資格や経歴を7つ紹介します。

資格・経歴 メリット
日本語検定 正しい日本語を用いて伝える力を養える
漢字検定 原稿を正確に読み上げる力を強化できる
英語資格(TOEIC、英検など) 国際的なニュースを正確に扱える力につながる
スポーツ関連の資格・経験 実況で競技の魅力を的確に伝える強みになる
気象予報士 天気情報を専門的に解説できる強みになる
演劇やスピーチコンテスト経験 聞き手に伝わる表現力や発声力を高められる
大学コンテストでの優勝経験 表現力や社交性を客観的に証明できる


これらの資格や経歴は、単に持っているだけでなく、
アナウンサーとしてどう活かせるかを具体的に説明できることが重要です。

自分の強みを明確に表現し、アナウンサーとしての適性をアピールしましょう。

アナウンサーになるための選考プロセス

アナウンサーの採用過程は、一般職とは異なる独特の選考方法でおこなわれます。試験では、情報を的確に伝える能力と、視聴者に好感を持たれる人柄が重視されます。

また、一般的な試験同様、総合的なコミュニケーション能力や人間性までもが評価の対象です。

具体的なアナウンサー試験の流れについて詳しく見ていきましょう。

アナウンサー試験の流れ

アナウンサー試験の流れは、放送局によって多少の違いはありますが、一般的に以下のような段階を経ておこなわれます。

  1. 応募書類と動画の提出
    主要局では、オンラインでのエントリーが主流となっています。指定の期日までに、Webフォームで応募書類を作成します。複数の写真(全身、バストアップ、個性が表れた写真など)と、自己PR動画(30秒程度)、指定テーマに沿った動画(2本程度)をアップロードして提出。応募締切から約1週間後、合格者に一次試験の案内が届きます。
  2. 一次面接
    中堅アナウンサーや番組プロデューサーとの対話が中心となります。
  3. 音声・カメラテスト
    実際の放送スタジオで、カメラ映りや話し方のチェックがおこなわれます。
  4. 二次面接
    各部門の責任者との面談。自己アピールの腕が問われる重要な段階です。
  5. 最終面接
    経営陣との最終面接です。多くの場合、その日のうちに人事部門から結果が通知されます。

この選考プロセスを通じて、放送局は将来有望なアナウンサー候補を見極めていきます。各段階で自分の魅力を最大限に発揮し、夢への一歩を踏み出すことが大切です。

アナウンサー試験の合格倍率

放送局のアナウンサー職は、就職市場でも屈指の狭き門として知られています。各局の採用枠はわずか数名程度にとどまり、応募者数との格差が著しいのが特徴です。

具体的な競争率の予想は以下のとおりです。

  • キー局:2,000倍以上
  • 準キー局:1,000倍程度
  • 地方局:100倍程度

こうした状況から、アナウンサー職への就職は、就職活動全体の中でももっとも難度の高い挑戦の1つといえるでしょう。

しかし、高い倍率に萎縮することなく、自分の個性や能力を磨き上げることが大切です。独自の魅力を発掘し、的確に表現することが、この難関を乗り越える鍵となります。

アナウンサーの仕事

アナウンサーの仕事は、単に原稿を読んだり番組の進行役を務めたりするだけではありません。一般的に想像されるよりも多岐にわたり、高度な専門性が要求される職業です。

ここからは、取材や入念な準備も含めた、具体的な仕事内容をご紹介します。

アナウンサーの主な仕事内容

アナウンサーの仕事は、放送前の準備から原稿の読み上げや番組の司会まで、多岐にわたります。

主な仕事内容は以下のとおりです。

  • 原稿作成と準備
  • ニュース読み上げ
  • 番組司会
  • 中継リポート
  • インタビュー

私たちがテレビで目にするアナウンサーの仕事は華やかですが、実は番組の放送時間の何倍もの時間を取材や準備に費やしています。そしてこれらの多様な業務をこなすためには、高度なコミュニケーション能力と幅広い知識、そして柔軟な対応力が必要不可欠です。

それぞれ詳しく見ていきましょう、

原稿作成と準備

ニュースや番組の原稿を作成し、読み合わせをおこないます。これには、情報の正確性の確認や、よりわかりやすい表現への修正なども含まれます。たとえば、難しい専門用語を視聴者に理解しやすい言葉に置き換える作業などです。

ニュース読み上げ

テレビやラジオのニュース番組で、正確かつ明瞭に情報を伝達します。的確な発音と適切なイントネーション、そして内容に応じた表情や声のトーンの調整が求められます。

番組司会

情報番組やバラエティ番組などの司会を務めます。ゲストとの対話や、番組の進行、視聴者への語りかけなど、番組全体をスムーズに運営する役割を担います。

中継リポート

事件や事故、イベントなどの現場から、生中継でリポートをおこないます。現場の状況を的確に把握し、適切な表情やトーン、テンションなどで視聴者にわかりやすく伝えます。

インタビュー

政治家や芸能人、スポーツ選手など、さまざまな分野の人物へのインタビューをおこないます。相手の話を引き出しつつ、視聴者が知りたい情報を適切に聞き出す技術が必要です。

アナウンサーの年収

アナウンサーの年収は、所属形態や勤務先によって大きく異なります。さらに、局所属のアナウンサーとフリーランスでは、収入構造に明確な違いがあります。

所属形態 年収の目安 特徴
局所属 ・初任給は月給25万円前後
・役職がつくと年収1,000万円超も可能
新卒時は一般企業と同程度の初任給からスタート。昇進や役職に応じて給与が上昇。局の規模によって水準に差があり、キー局ほど高給となる傾向がある。
フリーランス ・数百万円〜数千万円
・人気アナになると年収1億円超も可能
番組やイベントごとのギャランティー制が一般的。知名度や人気によって収入が大きく変動し、上限はほぼない。


アナウンサーの収入は単純な年功序列ではなく、個人の実力や人気、所属形態などが複雑に絡み合って決定されます

アナウンサーを目指す際は、収入面だけでなく、仕事のやりがいや社会的影響力なども含めて、総合的に職業の魅力を考える必要があります。

顔が重要?アナウンサーに求められる能力と資質

アナウンサーという職業は、単に情報を読み上げるだけでなく、視聴者に的確に情報を伝え、ときには共感を呼び起こす重要な役割を担っています。そのため、アナウンサーには多岐にわたる能力と資質が求められます。

それでは、アナウンサーに必要な能力と資質について詳しく解説します。

明瞭な発声と表現力

アナウンサーの仕事の核心は、話すことにあります。明瞭な発声と豊かな表現力は、もっとも重要な要素です。

明瞭な発声とは、単に大きな声で話すことではありません。正確な発音、適切な声の大きさとスピード、そして聞き取りやすい抑揚を兼ね備えた話し方を指します。表現力は、言葉の裏にある感情や意味を適切に伝える能力です。これには、声の調子だけでなく、表情や身振り手振りも含まれます。

明瞭な発声と豊かな表現力は、アナウンサーがキャリアを通じて常に磨き続けるべき能力です。視聴者にわかりやすく、印象的に情報を伝えるため、アナウンサーは絶え間ない努力を続ける必要があります。

特に、生放送の番組の場合は編集の効かない一発勝負になりますので、常日頃から安定した話し方ができるようになる必要があります。

ルックスの親しみやすさと清潔感

アナウンサーの外見で重視されるのは、親しみやすさと清潔感です。親しみやすさは視聴者に安心感を与え、魅力的な笑顔や愛嬌のある人柄は視聴者からの好感度を高めます。

また、清潔感もアナウンサーの信頼性を高める重要な要素です。身だしなみが整っていることはもちろん、髪型や化粧、服装なども適切であることが求められます。

これは、視聴者に不快感を与えないだけでなく、伝える情報の信頼性を高めることにもつながります。

冷静な判断と臨機応変な対応力

アナウンサーは、生放送番組に出演する機会が多くあります。そのため、予期せぬ事態が起きたときでも状況を冷静に判断し、適切に対応する能力が不可欠です。

また、自分がどれだけ緊張していても、視聴者を最優先に考えて気持ちを自制できるかも大切です。たとえば、緊急ニュースが入った際には、視聴者に不安を与えないよう正確な情報を落ち着いて伝える必要があります。

さらに、インタビュー中にゲストが予想外の発言をした場合でも、番組の意図を損なわないよう適切に対応することが必要です。

このように、冷静な判断と臨機応変な対応力は、アナウンサーが視聴者の信頼を勝ち取り、プロフェッショナルとして長く活躍するための重要な資質です。常に予測不可能な状況に備え、自己研鑽を続けることが、アナウンサーには求められています。

アナウンサーになるためにスキルアップを目指そう

アナウンサーになるための道のりは決して平坦ではありませんが、早期からの準備によって夢の実現に近づけるでしょう。大学在学中から始められる活動、そして卒業後のキャリアパスを通じて、常に自己研鑽を怠らないことが重要です。

発声や滑舌の基本的なトレーニングはもちろん、幅広い教養を身につけるための読書や時事問題の学習も欠かせません。また、アナウンススクールへの通学や学生キャスターの経験は、実践的なスキルを磨く絶好の機会となります。

そしてもっとも大切なのは、自分の個性や強みを活かしつつ、視聴者の心に響く伝え方を身につけることです。技術だけではなく、人間性や倫理観も含め総合的にスキルアップすることで、アナウンサーになる夢を実現させましょう。

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大阪出身。ビジュアルアーツ専門学校音響芸術学科卒業。

専門学校では、ボイストレーニングのベースとなる音楽理論、作曲理論、楽曲アレンジ、歌の伴奏等で必要なピアノのアレンジ、コードワークなど主に学ぶ。

卒業後、ボイストレーナーとして突き詰めるため、各分野のエキスパートに師事。並行して、ミュージシャンとしても本格始動。舞台やCM・テレビ番組などに楽曲を提供する一方、ボイストレーナーとして大手音楽スクールでレッスンを始める。テレビ番組にもボイストレーナーとして多数出演。
(ピアノ講師としてテレビ番組「お願い!ランキング」にも出演)

主な指導対象生徒は、大手事務所所属アイドル、俳優、舞台役者、声優、タレント、モデル、シンガー、バンドボーカリストから、保育士、僧侶、講演家、学者まで多岐に渡る。

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