ピアノのグリッサンド奏法とは?弾き方・練習法・よくある失敗を解説
ピアノ上達方法・テクニック
2026/01/31

ピアノのグリッサンド奏法とは、指を滑らせて連続音を一気に奏でる奏法です。「どうやって弾くの?」「指が痛くならない方法はある?」と悩むかもしれませんが、コツを押さえれば誰でもマスターできるはずです。
この記事では、グリッサンド奏法の基本的な弾き方や練習法、初心者がつまずきやすい失敗例とその対策を解説します。これから挑戦したい方はもちろん、さらに上達したい方も、ぜひ最後までご覧ください。
ピアノのグリッサンド奏法とは
ピアノのグリッサンド奏法の「グリッサンド」は「滑る」という意味があります。鍵盤を指で滑らせるように打鍵することで、1音1音を区切らず、流れるように・滑らかに音階を移動させる奏法です。
見た目は指をざっと滑らせているだけに見えますが、実際はかなり繊細なコントロールが必要です。演奏の方向によって使う指や角度が変わるため、繊細で細かな技術が必要な奏法といえます。
ポルタメント奏法との違い
ピアノの「グリッサンド奏法」と「ポルタメント奏法」は、似ているようでまったく異なる奏法です。どちらも2つの音をつなげて演奏する点は共通していますが、決定的に違うのは「速度と表現方法」です。
グリッサンド奏法は、鍵盤を指で滑らせて一定の速度で音を並べるのが基本です。一方、ポルタメント奏法はバイオリンなどで使われる技法で、抑揚のある速度で音と音の音程差を滑らかにつなげて演奏します。
ピアノの演奏にポルタメントを用いた例は歴史上ごくわずかにありますが、ピアノの構造上、正確に再現することは難しく、基本的には使用されません。そのため、ピアノではポルタメント奏法ではなくグリッサンド奏法を使う、と覚えておくと安心です。
ピアノのグリッサンド奏法の基本的なやり方

ここでは、初心者でも取り組みやすいグリッサンドの基本的なやり方を3つのポイントに分けて解説します。
- 爪を使って弾く
- 手の角度を浅めにする
- 上がり・下りで弾き方を変える
まずはこの3つを意識して練習し、グリッサンド奏法の基本を身につけましょう。
1. 爪を使って弾く
グリッサンド奏法は、爪や指の側面を使って弾くのがコツです。
指の腹で弾くことも可能ですが、その場合、鍵盤に指が引っかかってしまったり、長く演奏すると指先が痛くなったりすることがあります。指に痛みが出ると、グリッサンド奏法をおこなう際に手がこわばり、音が均一に出なくなってしまう可能性も。一方、爪を使って演奏すると、指の負担が軽減され、鍵盤を安定して押せるため、音のブレが少なくなります。グリッサンド奏法を練習する際は、まず短い音域で爪や指の側面を使い、軽く滑らせる感覚を身につけることが大切です。
2. 手の角度を浅めにする
まずは、浅い角度で鍵盤に指をのせながら、優しくなでるように指を滑らせましょう。手の角度が深すぎると、指に力が入りすぎてしまい、音がばらついたり疲れやすくなったりします。
初心者がグリッサンドを練習するときは、手首や腕が固まりやすい傾向があります。せっかく上達し始めてきたのに、手首を痛めてしばらく弾けなくなった……となると、マスターするまでの時間もかかってしまいますよね。
そのため、鍵盤に対して手の角度を浅くして、手首を柔らかく動かすことを意識してみてください。力が分散し、グリッサンド奏法が安定してきます。
3. 上がり・下りで弾き方を変える
グリッサンド奏法では、指を滑らせる方向によって弾き方を変えることが大切です。上がり(低音から高音へ)と下り(高音から低音へ)では指の角度や使う部分が異なりますし、右手と左手でも弾き方が変わります。
【上昇グリッサンド】
- 右手の場合:手を裏返し、指の形を丸めて弾く
- 左手の場合:人差し指の爪側や側面を使い、軽く鍵盤に沿わせながら滑らせる
【下降グリッサンド】
- 右手の場合:人差し指の爪側や側面を使い、軽く鍵盤に沿わせながら滑らせる
- 左手の場合:手を裏返し、指の形を丸めて弾く
方向や手によって弾き方を工夫することで、音の均一性と滑らかさが向上します。練習の際は、まず短い音域で左右それぞれの動きを確かめながら感覚を身につけていくとよいでしょう。
ピアノのグリッサンド奏法を習得する3つの方法
グリッサンド奏法を学ぶ方法は次の3つです。
- 独学で学ぶ
- 動画で学ぶ
- ピアノ教室で学ぶ
ここでは、初心者でも取り組みやすいそれぞれの方法についてご紹介します。
1. 独学で学ぶ
ある程度ピアノの基本ができているのであれば、独学でもグリッサンド奏法を習得できます。上記で紹介したコツを参考に、自分のペースで練習してみましょう。
独学の大きなメリットは、自宅で好きなときに練習できることです。時間を自由に調整できるため、仕事や学校で忙しい方でも取り組みやすい方法です。
2. 動画で学ぶ
独学に近い方法ですが、最近は動画サイトでグリッサンド奏法のコツや練習方法を解説している動画が豊富にあります。動画を見ながら練習できるため、独学よりも感覚をつかみやすく、上達も早いでしょう。
特に、ピアノ教室に通う時間が取れないけれど、独学だけでは不安という方におすすめです。
3. ピアノ教室で学ぶ
グリッサンド奏法を習得する方法として最も一般的なのは、ピアノ教室に通って学ぶことです。講師が現在のレベルに合わせて、正しい弾き方や練習法を直接指導してくれます。直接指導を受けられるため、疑問点や不安はその場で解消でき、効率的に上達を目指せるでしょう。
ただし、費用が高くなりやすいことや、講師との相性によって上達のスピードが変わることもあります。ピアノ教室を選ぶ際は、自分に合った環境かどうかを慎重に見極めることが大切です。
ピアノのグリッサンド奏法でよくある失敗

グリッサンド奏法を実際に練習すると、次のような失敗を経験することもあるでしょう。
- 指に均等に力がかけられない
- 指に痛みを感じる
- スピードがコントロールしづらい
ここでは、特に陥りやすい失敗例と、その原因について解説します。
指に均等に力がかけられない
グリッサンド奏法では、指に均等な力をかけることが重要です。しかし実際に弾いてみると、すべての指に均等な力をかけるのは難しく、音がブレやすくなります。
また、力を入れすぎても抜きすぎてもきれいな音は出ません。均等かつ適切な力加減を身につけるには時間と練習が必要です。焦らずゆっくり練習し、少しずつ感覚を磨きましょう。
指に痛みを感じる
グリッサンド奏法の練習をしていると、指に痛みを感じることがあります。特にヒリヒリとした痛みは長引きやすく、練習の妨げになる場合もあるでしょう。
早く上手くなりたいという気持ちから、毎日練習したくなるかもしれませんが、過度な練習は逆効果です。痛みを感じたときは無理をせず、一旦休憩して指を労わることが大切です。
スピードがコントロールしづらい
グリッサンド奏法では、抑揚をつけずに一定のスピードで指を滑らせることが求められます。しかし実際には難しく、つい速く弾きすぎてしまうことが少なくありません。
スピードが安定しないと、予想以上に大きな音が出たり、曲の雰囲気を損ねたりする原因になります。そのため、練習では特にスピードのコントロールを意識してみてください。メトロノームを使い、一定の速度で練習してみるのも効果的です。
ピアノのグリッサンド奏法を上達させる3つの練習法
グリッサンド奏法は、一度身につけると演奏の表現力がぐっと広がります。ただし、滑らかで安定した演奏は簡単には身につきません。
ここでは、効果が出やすい3つの練習法をご紹介します。
- 短い音域から練習する
- スロー練習で手首と指の動きを確認する
- 実際の曲に取り入れる
上達のためのこれらの練習法を詳しく解説します。
1. 短い音域から練習する
グリッサンド奏法の練習は、まず短い音域から始めることが大切です。いきなり広い音域で練習すると力が分散しやすく、指や手首への負担も大きくなる危険があります。
1オクターブ程度の短い範囲で滑らせる練習を繰り返し、均等な力のかけ方や手の動かし方を身につけましょう。慣れてきたら徐々に音域を広げていくと、スムーズに上達できるでしょう。
2. スロー練習で手首と指の動きを確認する
グリッサンド奏法は速さだけでなく、手首と指の力のコントロールが重要です。はじめはゆっくり練習し、手首や指の動きを意識しましょう。
スロー練習を繰り返すと、無駄な力が抜け、一定のスピードを保てるようになります。手首や腕の動きに注意しながら練習することが、安定したグリッサンド奏法への近道です。
3. 実際の曲に取り入れる
基礎練習で感覚を掴んだら、実際の曲にグリッサンド奏法を取り入れてみましょう。曲の中で実践を重ねていくと、奏法の応用力が身につきます。
曲に合わせると、スピードや抑揚の感覚も養われ、より自然で美しい演奏ができるようになります。最初は短いフレーズから取り入れ、慣れてきたら徐々に長いフレーズに挑戦すると効果的です。
ピアノのグリッサンド奏法は根気よく練習してマスターしよう!
グリッサンド奏法は一見簡単そうに見えますが、実際にはコツ・技術が求められる難しい奏法です。マスターするためには、とにかくたくさん練習してみましょう。
最初は音が上手く出せない・ブレてしまう・指が痛いなど、さまざまな壁があります。しかし、ある程度弾けるようになると、練習も楽しくなります。
根気よく練習に取り組み、グリッサンド奏法をマスターしましょう。


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