指を早く動かすコツとためになる指先のストレッチ運動
ピアノ上達方法・テクニック
2021/06/21
ピアノの練習をしていて、「指を動かすのが遅くて先生に注意されてしまった」「曲の早さに指が追いつかない」という経験をしたことはありませんか?
ピアノの上達には指の動きの早さが大切ですが、指を早く動かすためには訓練が必要なので、単に意識するだけでは思い通りに指を動かすことはできません。
今回は、ピアノを弾くときに指を早く動かすためのコツと、指を思い通りに動かせるようになるためのストレッチ運動について紹介します。
指の動きに課題を感じている人は、ぜひ参考にしてみてください。
指を早く動かすコツ
指を早く動かすためにはストレッチ運動などの訓練が役立ちますが、場合によってはピアノの弾き方を少し意識するだけで、指が早く動かせるようになる可能性もがあります。
まずは、今すぐ実践できる指を早く動かすコツについて見ていきましょう。
1. 正しい手の置き方を意識する
スポーツで結果を出すにはフォームが大切だと言われていますが、ピアノにおいても正しいフォームは非常に重要です。
ピアノを弾くときのフォームは「姿勢や手の置き方」を指しますが、なかでも手の置き方は鍵盤を弾くスピードを大きく左右します。
まずは、正しい手の置き方を見直してみましょう。
手を鍵盤に置くときは、鍵盤と手のひらを並行にすることがポイントです。
手首が上がったり下がったりすると関節に余計な力が入ってしまい、ピアノが弾きにくくなってしまいます。また、小指側や親指側に手首や手のひらが偏らないように注意しましょう。
よくあるのが、小指側に手のひらが下がってしまうケースです。
この場合、手首だけを動かして直すと余計な力が入ってしまうため、肩関節を動かして肘を少しだけ外に出すようにすると、傾きを自然に直せます。
2. 脱力して弾く
ピアノを早く弾きたいときは、手の置き方だけではなく弾き方にも注意が必要です。
まず手の形は、手をだらんと下ろしたときのように自然なアーチ型にしておきましょう。たまごを握っている形をイメージするとわかりやすいかもしれません。
弾くときは手首や腕を脱力して、指の関節を動かして鍵盤を押します。
指や手首の関節がへこんでいたり指を無理に伸ばしたりした状態だと、手に力が入ってしまい、動作に時間がかかってしまいます。
先述したように、関節がどこもへこまないように脱力し、自然なアーチ型をキープできるように意識しましょう。
また、鍵盤を押すときは「ひとつの動きにまとめる」「指の動きを最小限にする」ことを意識してみてください。
動作を区切らずに流れるような感覚で鍵盤を弾けると、無駄な動きがなくなって早くピアノを弾けるようになります。
3. 正しい運指で弾く
ピアノの上達や早く指を動かすことを目指すのであれば、正しい運指を意識することが欠かせません。
運指は非常に基本的なことですが、なかには自己流の間違った運指を身につけいている人もいるので、改めて確認しておきましょう。
左手 | 右手 | |
5 | ド | 1 |
4 | レ | 2 |
3 | ミ | 3 |
2 | ファ | 1 |
1 | ソ | 2 |
3 | ラ | 3 |
2 | シ | 4 |
1 | ド | 5 |
※1→親指、2→人差し指、3→中指、4→薬指、5→小指
まずは、この基本を身につけてから、曲にあった運指を覚えていくことをおすすめします。
なお、鍵盤を弾く正しい位置は、指の腹の先端です。黒鍵に指が届く場所に指の腹の先端を置くと、よりスムーズに弾けるようになります。
4. 楽譜をしっかりと読み込む
ピアノを早く弾くためには手の動きがもっとも大切ですが、楽譜をしっかりと読み込むことも大切です。
ピアノを弾くときは、目で楽譜を見て理解したあとに脳から司令を出して、指に動きを伝える必要があります。
楽譜を理解して脳からスムーズに司令が出せるようにならないと、たとえ指を早く動かせる技術を持っていてもスムーズに曲は弾けません。
楽譜を読み込んで理解することはもちろんのこと、指の動きが早い部分は喋りながら弾くようにすると、脳の動きが活発になり早く指が動かせるようになります。
指を早く動かすためのストレッチ
指を早く動かすためのコツを紹介してきましたが、そもそも指を早く動かせるようにするためには指の柔軟性が欠かせません。
そこで、ここからは指を早く動かすために有効なストレッチを紹介します。
1. 伸筋・屈筋のストレッチ
ピアノを弾くときは、指を伸ばすときに使用する「伸筋」と、指を曲げるときに使用する「屈筋」が重要な役割を果たします。
指を早く動かしてピアノを弾くときは伸筋や屈筋に大きな負担がかかるため、まずはこの部分を伸ばして指の動きをよくしておきましょう。
【手順】
- ピアノを弾く姿勢でピアノの前に座る
- 腕を真っ直ぐ伸ばし、指が下を向くように両手を鍵盤蓋につく
※蓋がないピアノの場合は、壁でも問題ありません。 - ゆっくりと息をしながら背中や腰、腕を伸ばす
- 次に、指が上を向くように両手を鍵盤蓋につく
- 同じように伸ばす
指先を下に向けているときは伸筋、下に向けているときは屈筋と、それぞれのストレッチで伸びる筋肉が変わります。
どこが伸びているか意識しながら行うと、よりストレッチ効果が高まるでしょう。
2. 指先を反らすストレッチ
指先を反らすストレッチは、腱の柔軟性を上げて脳からの信号を指先に伝えやすくする効果があります。
【手順】
- 左手を水平に伸ばし、手のひらを下に向ける
- 肘を90度に曲げる
- 薬指の先端を右手で持ち、反らすようにストレッチする
- ストレッチしたまま、ほかの指をゆっくりと曲げたり伸ばしたりする
- 中指以外の指を持って反らし、薬指だけ曲げる
- 人差し指、中指、小指に対しても同じストレッチをする
- 反対の手も同様に行う
- 各指の間同士を広げるように伸ばす
腕の筋が伸びて非常に気持ちのいいストレッチです。痛みを感じないように、無理のない範囲で行ってください。
3. 指先を早く動かすトレーニング
最後に、指先を早く動かす訓練効果の高いトレーニングを紹介します。
【手順】
- 両手を胸の前に持ってきて、左右の指の腹を合わせたまま手のひらに空間を作る
- 人差し指を10秒かけてゆっくりと2cm離す
- 10秒かけて人差し指をもとに戻す
- 人差し指を離し、できるだけ早くぐるぐると回す
- ほかの指も同じように行う
このトレーニングをすると、指が独立して思い通りに動かせるようになります。はじめは薬指と小指が動かしにくいので、重点的に行うことをおすすめします。
指を早く動かすことがピアノの演奏に与える影響
ピアノを弾くときに指を早く動かせるようになると、以下のようなメリットが生じます。
- 自分の意志のまま指が動かせるようになる
- 表現力が向上する
- より多くの曲にチャレンジできるようになる
指が早く動かせるようになれば、テンポが早い曲にもチャレンジできるようになります。
思ったとおりに指が動かせるようになれば、それだけ表現力も上がるでしょう。先生に指摘されたこともすぐに反映できるようになるため、上達が早まります。
ピアノの演奏において、「自分の意志でコントロールして弾くこと」は何よりも大切です。
早く指が動けばそれだけ自分でコントールできる範囲が広がるため、曲の再現率を上げたり自分らしい音色を奏でたりすることができるようになる点がメリットです。
指を早く動かしてピアノの表現力を上げるならピアノ教室がおすすめ!
指を動かせるようになれば、思い通りの演奏ができるようになり、表現力の向上が望めます。
指を早く動かすためにはコツを意識したりストレッチしたりすることが有効なので、ぜひ今回紹介した内容を参考にしてみてください。
効率よく訓練して指を早く動かせるようにしたいときは、プロの講師にコツや弾き方、トレーニング方法を指導してもらうことをおすすめします。
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